円伊(読み)エンイ

デジタル大辞泉 「円伊」の意味・読み・例文・類語

えんい〔ヱンイ〕【円伊】

鎌倉後期の画僧僧位法眼ほうげん絵巻物一遍上人絵伝いっぺんしょうにんえでん」(歓喜光寺本)を描いた。生没年未詳。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「円伊」の意味・わかりやすい解説

円伊
えんい

歓喜光寺蔵『一遍上人絵伝 (一遍聖絵) 』の作者と伝えられる僧。奥書に円伊筆とあるが,彼の絵師としての記録はない。巧みな構図や群像表現,熟達した筆,優れた色彩感覚に作者の確かな技量を感じさせるが,全巻を通して同一人物の筆とはいいがたく,様式的,技術的に似かよった何人かの絵師集団によるものと想定される。

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山川 日本史小辞典 改訂新版 「円伊」の解説

円伊
えんい

生没年不詳。鎌倉後期の絵師。「一遍聖人絵伝」のうち,1299年(正安元)成立の「一遍聖絵(ひじりえ)」の奥書に「画図法眼円伊」とあり,この絵巻画家として知られる。しかし複数の画家の関与が想定されるため,円伊は絵巻制作にたずさわった絵画工房の主宰者と考えられる。園城(おんじょう)寺の僧という説などもあるが,出自は不明。

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旺文社日本史事典 三訂版 「円伊」の解説

円伊
えんい

生没年不詳
鎌倉時代の絵師
『一遍上人絵伝』(京都歓喜光寺本)の筆者として有名。

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世界大百科事典(旧版)内の円伊の言及

【一遍上人絵伝】より

…各種多様な遺品が存するが,二つの系統に大別される。まず《一遍聖絵(ひじりえ)》12巻(歓喜光寺蔵,ただし第7巻は東京国立博物館蔵)は絵巻としては珍しく絹本に描かれ,第12巻奥書に正安1年(1299)8月,聖戒(しようかい)が詞書をつくり,法眼円伊が絵を描き,藤原経尹が外題を書いたことを記している。このいわゆる聖戒本は一遍没後10年目に,一遍の近親でもあり高弟でもあった聖戒と,やはり一遍の身近にあったと思われる円伊が,数名の画家を統率し,報恩報徳の念をこめて制作したもの。…

※「円伊」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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