日本歴史地名大系 「円東寺」の解説 円東寺えんとうじ 福島県:安達郡安達町渋川村円東寺[現在地名]安達町渋川二本柳(にほんやなぎ)にあり、安達太良山光明院と号し、真言宗豊山派の古刹。かつては上先(しようせん)坊とも称した。開基は徳一と伝え、本尊は聖観音。寛文一二年(一六七二)の縁起断簡(円東寺文書)には安達太良山中に垂迹した神々の由来を述べ、安達太良山明神の別当は玉井(たまのい)(現大玉村)の相応(そうおう)寺、末社箕輪(みのわ)権現・鬼面骨(きめんこつ)明神の別当は円東寺と記す。また円東寺は初め安達太良山中の北猿鼻(きたさるばな)に寺域があり箕輪山・鬼面山に奉幣していたが、二本柳に寺を移してから山神の祭礼は忘れてしまった。その後相応寺の末寺となったと記されている。元禄九年(一六九六)書上の安達太良山円東寺(同文書)中に「本寺末寺之事」という項目があり、「従元来各別修行之所、四代已前ヨリ玉ノ井村相応寺之末寺而候」と記され、その経緯は明確でないが、住僧が病身であったためと伝えられている。円東寺は相応寺末一七ヵ寺の筆頭寺院として、しばしば本寺と争論することがあった(同文書)。 出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報 Sponserd by