円清寺(読み)えんせいじ

日本歴史地名大系 「円清寺」の解説

円清寺
えんせいじ

[現在地名]杷木町志波

旧日田街道の北側にある曹洞宗寺院。竜光山と号し、本尊聖観音。もと志波しわにあった集雲院のものという。慶長一二年(一六〇七)黒田二十四騎の一人に数えられた栗山備後利安(上座郡のうち一万五千石を与えられ左右良城に在番)が、主君黒田官兵衛孝高(如水)菩提を供養するために第翁鱗及を開山として建立した。山号・寺号は孝高の法名である竜光院如水円清居士による(以上「続風土記」など)。当寺には黒田如水・長政父子、栗山利安・大膳父子の画像が保存されており、このうち紙本著色黒田如水像は県指定文化財。


円清寺
えんせいじ

[現在地名]鞍手郡中山

中山なかやまの南部、つるぎ岳の東麓にある浄土宗の寺院。中尾山と号する。本尊は阿弥陀如来。慶長一三年(一六〇八)開基で、開山は弾誉(続風土記附録)。中山村は元和九年(一六二三)に東蓮寺藩(直方藩)領となり、初代藩主黒田高政の重臣吉田壱岐守重成の知行地とされ、重成は同村内に別宅を設けた(吉田家伝録)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

世界大百科事典(旧版)内の円清寺の言及

【杷木[町]】より

…米作のほか,富有柿,ブドウなどの果樹栽培を営み,シイタケ,木材,竹製品も産する。志波(しわ)の円清寺は黒田如水ゆかりの寺で,高麗時代の朝鮮鐘(重要文化財)を伝え,普門院には鎌倉時代末期の遺構とされる本堂(重要文化財),藤原時代の木造十一面観音像(重要文化財)がある。また杷木神籠石(こうごいし)(史)が残る。…

※「円清寺」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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