冷める（読み）サメル

デジタル大辞泉

さ・める【冷める】

［動マ下一］［文］さ・む［マ下二］
１ 熱い物が熱を失う。熱せられたものの温度が下がる。「スープが―・める」「御飯が―・める」
２ 高まっていた感情や興味が衰えたり薄らいだりする。「愛情が―・める」「ゴルフ熱が―・める」
[類語]冷える・冷やす・冷却・冷房・冷ます・クーラー・扇風機

出典　小学館

精選版 日本国語大辞典

さ・める【冷・褪】

1. 〘 自動詞 マ行下一段活用 〙
   [ 文語形 ]さ・む 〘 自動詞 マ行下二段活用 〙
2. ① ( 冷 ) 熱い物、特に液体の温度が自然に下がる。
   1. [初出の実例]「鉄の冷(サメ)ぬるときに、還りて熱からしむべきがごとし」(出典：東大寺本大般涅槃経平安後期点（1050頃）四)
   2. 「一盞の咖啡の冷むるをも顧みず」(出典：舞姫（1890）〈森鴎外〉)
3. ② たかぶっていた感情が消える。心が静まる。
   1. [初出の実例]「右近はただあなむつかしと思ける心ちみなさめて泣きまとふさま、いといみじ」(出典：源氏物語（1001‐14頃）夕顔)
4. ③ 関心、興味、感慨などが薄らぐ。
   1. [初出の実例]「ごたち『いぬ宮の御時おもしろかりしを、こたみはさめたりや』といふ」(出典：宇津保物語（970‐999頃）国譲下)
5. ④ ( 褪 ) 色がうすくなる。あせる。
   1. [初出の実例]「もみち葉はくれなゐふかくなり行けどひとりさめたる松のいろかな〈藤原伊行〉」(出典：仁安二年八月皇太后宮亮経盛歌合（1167）七番)
   2. 「手袋は〈略〉色は褪(サ)めたが」(出典：破壊（1906）〈島崎藤村〉五)

出典　精選版 日本国語大辞典