デジタル大辞泉
「冷える」の意味・読み・例文・類語
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
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ひ・える【冷】
- 〘 自動詞 ア行下一(ヤ下一) 〙
[ 文語形 ]ひ・ゆ 〘 自動詞 ヤ行下二段活用 〙 - ① 温度が下がってあたたかみがなくなる。冷たくなる。ひえびえとする。ひややかになる。《 季語・秋 》
- [初出の実例]「火をして滅し、湯をして冷(ヒエ)しむ」(出典:大智度論天安二年点(858)八九)
- 「露ふかき袖にひえつつあかすかなたれながき夜のかたきなるらん」(出典:蜻蛉日記(974頃)下)
- ② 熱中する気持、情熱がさめる。また、興奮がさめる。
- [初出の実例]「江間君も其うちには冷(ヒ)えるから。冷(ヒ)えればお鶴と同じ心持になって来るから」(出典:第三者(1903)〈国木田独歩〉五)
- ③ 互いの結びつきなどが弱くなる。うまくいっていた関係がわるくなる。
- [初出の実例]「養子との仲が冷えたのか、どうしたのか」(出典:大阪の話(1934)〈藤沢桓夫〉二)
- ④ 能で、芸に淡々とした中に深い味わいがあり、冴えている。
- [初出の実例]「尺八の能に、尺八一手吹き鳴らいて、かくかくと謡ひ、様もなくさと入る、ひえにひえたり」(出典:申楽談儀(1430)序)
- ⑤ 零落する。
- [初出の実例]「零落疲労してをちぶれひえた者のいた所か」(出典:玉塵抄(1563)五五)
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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