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イネ科植物の穂が最上位葉の葉鞘(ようしよう)から出現する現象。穂が出るかどうかは子実の生産に直ちにつながるので,イネやムギなど子実を利用する作物にとってはきわめて重要な現象である。作物の品種はそれぞれに,温度や日長のような環境条件に特異的に反応して出穂する遺伝的性質をもっており,これが早生,中生,晩生など品種それぞれの早晩性を規定している。同じ品種であっても,ふつう温度が高ければ出穂は促進され,低ければ遅延し,極端な場合,冷害時のイネのように出穂しないこともある。したがって,よい生産をあげるためには,環境に合わせていかに適正な時期に出穂させるかを十分考慮して品種の選択や栽培管理を行うことが必要である。なお,イネやムギでは個々の圃場(ほじよう)の中ではじめて出穂が見られたときを出穂始め,全茎の40~50%の穂が出たときを出穂期,80~90%が出たときを穂ぞろい期と呼んでいる。また,イネでは出穂とほぼ同時に,ムギでは3~7日後に開花が始まる。
執筆者:増田 澄夫
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
植物の穂が出ること。茎の先に分化した幼穂は、最上位葉(止葉(とめは))の葉鞘(ようしょう)に包まれて発達する。穂として成熟すると、穂の下の節間(穂首)が急速に伸びて、穂は押し出されるようにして止葉の葉鞘から出現する。これが出穂である。イネやムギ類などのイネ科作物では、出穂は生育過程の一指標として栽培上重要視されている。したがって出穂については正確に規定されており、1本の茎についてみた場合には、イネでは穂先が現れたとき、ムギ類では穂が基部まで出終わったときを出穂とする。また、畑を対象とした場合、たとえば水田に最初に出穂がみられたときを出穂始め、約半数の茎が出穂したときを出穂期、約90%が出穂したときを穂ぞろい期という。作物それぞれの種や品種の出穂期は、地域内では標準的栽培をした場合にはほぼ決まっている。しかし、異常低温や干害などによって生育が遅れると出穂期も遅くなる。北国では、出穂が遅れると子実が実らないうちに冬になってしまい、冷害となる。
[星川清親]
…自由鍛造には材料を圧縮して長さを伸ばす伸ばし(鍛伸),長い材料を長軸方向に圧縮する据込み(アプセッティング),幅方向に拡大する展伸,ほかに穴広げ,せん孔などがある。軸方向に圧縮して横方向に広げる場合にも,全体を変形させる据込みと,一部分を加工するヘッディングheadingなどがある。型鍛造はとくに圧縮方向と垂直な方向への材料の流れを拘束して行うため,材料を封じ込めることになり,鍛造材に作用する圧力が高く,そのために鍛造荷重は単なる据込みの場合に比べて非常に大きくなる。…
※「出穂」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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