切紙伝授(読み)キリカミデンジュ

デジタル大辞泉 「切紙伝授」の意味・読み・例文・類語

きりかみ‐でんじゅ【切紙伝授】

古今伝授で、奥義とする秘説切り紙に記して伝授する形式東常縁とうつねより宗祇そうぎに行ったものを最初とする。
神道で、口伝による誤りなどを避けるために、1にならって切り紙に記して行った伝授。

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精選版 日本国語大辞典 「切紙伝授」の意味・読み・例文・類語

きりかみ‐でんじゅ【切紙伝授】

  1. 〘 名詞 〙 室町時代以後歌道、神道その他の諸道で、口伝(くでん)による誤りをなくすために、切紙に書いて弟子に伝授したこと。

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山川 日本史小辞典 改訂新版 「切紙伝授」の解説

切紙伝授
きりがみでんじゅ

歌道伝授の一形態。全紙を横半切以下に小さく切った紙に,歌道上の奥義秘事を記して相伝した。古典講釈における切紙は,元来疑義や異説を書いて添付した紙片で,副次的であった。しかし1471年(文明3)東常縁(とうつねより)から宗祇への「古今集」の講釈で秘説を切紙に記して与えて以後,とくに古今伝授において,聞書きを補完して三鳥(さんちょう)・三木(さんぼく)などの奥義を伝える手段として秘儀化・権威化され,形骸化しつつ近世まで続いた。

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