初山別(読み)しょさんべつ

改訂新版 世界大百科事典 「初山別」の意味・わかりやすい解説

初山別[村] (しょさんべつ)

北海道北部,留萌(るもい)支庁苫前(とままえ)郡の村。人口1369(2010)。日本海に臨み,村域は天塩(てしお)山地海岸段丘からなり,国有林と道有林が広い部分を占める。市街地は初山別川河口にあり,風連別(ふうれべつ)川,茂築別川などの川沿いおよび河口に集落が散在する。1840年代から漁場経営が行われ,とくにニシン漁および砂金採取のための移住者があいついだ1890年前後から伸長し,98年富山,新潟,熊本の各県からの集団移民があり,以後開拓が進んだ。農業は米作を中心とし,酪農畜産も行われる。ニシンは,1953年の豊漁を最後に姿を消し,漁家も著しく減少したが,豊岬(とよさき),初浦(はつうら)の漁港と水産加工施設が整備され,ホタテガイ漁場も造成されている。金毘羅(こんぴら)岬は天売(てうり)島,焼尻(やぎしり)島,利尻富士を望む景勝の地で,近くにみさき温泉がある。海岸沿いを国道232号線が通る。
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