初山別村(読み)しよさんべつむら

日本歴史地名大系 「初山別村」の解説

初山別村
しよさんべつむら

面積:二七九・〇〇平方キロ

明治三三年(一九〇〇)六月苫前とままえ羽幌はぼろ村を分割して成立。留萌支庁管内の中部に位置し、北から東にかけては天塩遠別えんべつ町、南は羽幌町に接し、西は日本海に面する。天塩山地に源を発する茂築別もちくべつ川・初山別川・風連別ふうれんべつ川が西に流れて日本海に注ぐ。各流域は原野を形成し、村の農業地帯となっている。初山別市街は初山別川の河口付近に位置する。海岸線は南北に延び、海岸段丘発達している。村域の約七七パーセントが山林で、その大部分は国有林。気候は対馬暖流の影響で比較的温暖であるが、冬は北西の季節風が強く、降雪が多い。海岸に沿って国道二三二号が通り、昭和六二年(一九八七)までは国鉄羽幌線も通っていた。

近世はトママイ場所のうち。明治二年の国郡画定により天塩国苫前郡に所属、明治初年(同二―六年)より明治二七年までは苫前村、同三三年までは羽幌村に属する。同三四年九月初山別村戸長役場を設置。同四二年四月二級町村制施行(市町村沿革台帳)。昭和一六年字名改称、同四〇年字初浦はつうらを字初山別と改称。現行の字はほかに明里あけさと有明ありあけ大沢おおさわ共成きようせいさかえ千代田ちよだ豊岬とよさきがある。近世にはフウレベツ(現豊岬)に番屋があり、近世末期から和人の出稼漁民が姿を見せ始めたが、鰊漁を中心とする漁業が本格化するのは明治中期以後のことで、明治二〇―三〇年代に漁業集落が成立し、初山別、風連別(現豊岬)に市街地が形成された。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「初山別村」の意味・わかりやすい解説

初山別〔村〕
しょさんべつ

北海道北西部,日本海にのぞむ村。地名はアイヌ語シュサンペツ (小さい沢にある川の意) に由来。 1890年よりニシン漁と農業で開けた。東部は天塩山地北部西麓を占める山地で,製材業が発達。河谷,海岸段丘で米作や畑作,酪農が行われるほか,沿岸漁業が主産業。かつて初浦と呼ばれた初山別が中心集落。国道 232号線が通る。面積 279.52km2人口 1080(2020)。

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