20世紀日本人名事典 「前田藤四郎」の解説
前田 藤四郎
マエダ トウシロウ
昭和期の版画家
- 生年
- 明治37(1904)年10月18日
- 没年
- 平成2(1990)年5月19日
- 出生地
- 兵庫県明石市
- 学歴〔年〕
- 神戸高商〔昭和2年〕卒
- 主な受賞名〔年〕
- 春陽会賞〔昭和14年〕,朝日新聞社賞〔昭和21年〕「竜安寺の石庭」,大阪府芸術賞〔昭和32年〕
- 経歴
- 中学時代から絵が好きだったが、家庭の事情で美術学校進学を断念。卒業後、兵役で姫路の連隊に入隊。軍旗祭の装飾を担当して以来、隊内で自由に制作する許可をもらい、訓練の合間に、参考書を頼りにリノリウムを彫って版画を勉強した。除隊後、叔父の印刷所に勤めて版と刷りの基礎を身につける。昭和4年春陽会展に版画「散髪屋」を、帝展に水彩画「都会展望」を初出品して入選。沖縄シリーズの作品群が注目され、「紅型」などで14年春陽会賞をうけた。55年には儀間比呂志らと“刀の会”を形成するなど、関西創作版画界の長老として活躍。
出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報