前駆体(読み)ぜんくたい

日本大百科全書(ニッポニカ)「前駆体」の解説

前駆体
ぜんくたい

ある特定の物質よりも反応段階的に前に位置する物質のこと。プレカーサーprecursorともいう。酵素やタンパク質、あるいはホルモンなどには、活性をもたない前駆体として合成され、のちに特定箇所の切断や一部分の切り離しを受けるなどして活性化されるものが多い。ペプシンの前駆体ペプシノゲン、インスリンの前駆体プレプロインスリンなどがその例にあたる。前駆体はタンパク質やペプチドなどの高分子に限らず、コレステロールの場合は、酢酸、メバロン酸、ファルネシルピロリン酸、スクアレンなどが前駆体である。

[野村晃司]

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精選版 日本国語大辞典「前駆体」の解説

ぜんく‐たい【前駆体】

〘名〙 一連の生化学反応で、AからBへ、BからCへと変化するとき、たとえばCという物質からみたAやBをいう。つまりCに先だって生じ、その全部または一部がCの材料となっているもの。フィブリンに対するフィブリノーゲンビタミンにおけるプロビタミンなど。前駆物質。〔生物と無生物の間(1956)〕

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栄養・生化学辞典「前駆体」の解説

前駆体

 前駆物質ともいう.物質代謝では,ある物質が一連の反応で別の物質へと代謝される場合,反応のはじめの方により近い物質を,あとの方の物質に対していう.

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デジタル大辞泉「前駆体」の解説

ぜんく‐たい【前駆体】

化学反応などで、ある物質が生成される前の段階にある物質。ビタミンに対するプロビタミンなど。前駆物質。先駆物質。プレカーサー。

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