劉 暁波(読み)リュウ・ギョウハ(英語表記)Liu Xiao-bo

現代外国人名録2016 「劉 暁波」の解説

劉 暁波
リュウ・ギョウハ
Liu Xiao-bo

職業・肩書
文芸評論家,作家,民主化運動家

国籍
中国

生年月日
1955年12月28日

出生地
吉林省長春

学歴
吉林大学中文系〔1982年〕卒,北京師範大学大学院中文系修了

学位
文学博士(北京師範大学)〔1988年〕

受賞
ノーベル平和賞〔2010年〕

経歴
大学院生だった1986年に文壇に突如デビュー、沈滞しきっていた当時の中国評論界に衝撃を与え、“黒馬(ダークホース)”と呼ばれた。大学院修了後、北京師範大学中国文学系の講師となり、’80年代の“反逆する中国知識人”を代表するイデオローグとして全面西欧化を唱え、伝統への回帰を厳しく批判して学生たちの間に絶大な思想的影響力を持つ。米国コロンビア大学にビジターとして滞在中の’89年4月、民主化運動を知り帰国。5月から広場に出て、知識人として運動の中心に参画天安門広場でのハンストに加わり、6月4日天安門事件で逮捕、反革命宣伝扇動罪で起訴、秦城監獄に投獄され、公職から除籍された。’91年1月刑事罰免除の判決を受け釈放。釈放後、北京で地下に潜り天安門事件の“英雄”から“裏切者”と指弾される中、事件の詳細な回想録末日に生き残りし者の独白」をひそかに執筆し発表。’95年5月容疑を明らかにしないまま身柄拘束されるが、’96年1月釈放。同年政府批判の公開書簡を発表して、10月労働改造のため強制労働所送りとなる。2008年12月中国共産党による一党独裁の見直しや言論宗教の自由などを求めた「08憲章」を、中国の学者ら303人の署名を添えてインターネット上に発表。その発表直前に拘束された。2009年12月国家政権転覆扇動罪で起訴され、2010年2月懲役11年、政治的権利剥奪2年の判決が確定し、遼寧省錦州市の刑務所服役。同年12月、ノーベル平和賞を受賞。中国反体制派の受賞はチベット仏教最高指導者ダライ・ラマ14世(1989年)以来で、中国国内在住の中国人がノーベル賞を受賞したのは初めて。服役中のため本人不在のまま授賞式が行われた。他の著書に「形而上学的迷霧」(’89年)、「天安門事件から『08憲章』へ 中国民主化のための闘いと希望」がある。

出典 日外アソシエーツ「現代外国人名録2016」現代外国人名録2016について 情報

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