日本歴史地名大系 「加茂港」の解説 加茂港かもこう 山形県:鶴岡市日本海沿岸地区加茂村加茂港[現在地名]鶴岡市加茂加茂丘陵に三角形に切込んだ大澗(おおま)といわれる湾にある。酒田に次ぐ海上交通の要衝。当港は「かかり澗」といわれ、酒田湊を目指す船が強風を避け、順風を待ち、その間食糧や水を補給する目的で寄港した。古くは「顔港」といったとされる(出羽国風土略記)。戦国期には大浦(おおら)城の外港として重要な商港であったとされるが、港の整備は天正一五年(一五八七)最上義光の支配下に入った以後のことらしい。慶長(一五九六―一六一五)頃には従来の泊(とまり)町に加え新(しん)町・岡(おか)町などが町割されており、藩蔵米を預かる御蔵衆も任命されている。水野重誠筆記(鶏肋編)には延宝元年(一六七三)頃まで口留所が置かれていたとある。享保五年(一七二〇)の澗役銭・湯銭取納方聞合書(同書)によれば、当港の澗役銭は船頭・水主とも一人前四〇文で、徴収は船宿を通じて行った。 出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報 Sponserd by