六訂版 家庭医学大全科 の解説
動脈硬化を予防するために
(代謝異常で起こる病気)
動脈硬化の危険因子
動脈硬化の発症や進行を促進する要因を動脈硬化の危険因子といい、年齢、性別(男性は女性よりも進行が速い)、遺伝、高脂血症、高血圧、糖尿病、肥満、喫煙などが知られています。
これらの危険因子は、重複すると相乗的に危険度が増加します。
メタボリックシンドローム
上半身肥満、
このように危険因子が重なることは、シンドロームX、インスリン抵抗性症候群、内臓脂肪蓄積症候群などとも呼ばれています。
死の四重奏を含めてすべて同じ現象を指しており、現在ではメタボリックシンドロームと呼ばれています。その根本となる原因は、おなかの内臓のまわりに脂肪が蓄積することです。
動脈硬化を予防するには
動脈硬化を予防するためには、危険因子の是正が必要です。年齢、性、遺伝は改善の方法がありませんが、そのほかは生活習慣の改善や薬物療法により是正することが可能です。
具体的には①禁煙、②食生活の是正(表6)、③適正体重(体重㎏/(身長m)の2乗=22を標準とする)、④身体活動の増加(速歩、ジョギング、水泳、サイクリングなどを1日30~60分、週3回以上)が基本となります。
脂質異常症(高脂血症)、高血圧(若年、中年、糖尿病患者では130/85㎜Hg以下、高齢者では140~160/90㎜Hg未満)および糖尿病(ヘモグロビンA1C6.4%以下)については、薬物療法を含めた厳格なコントロールが、動脈硬化の予防に有効であることが多くの臨床試験で証明されています。
出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報