日本大百科全書(ニッポニカ) 「勤続給」の意味・わかりやすい解説
勤続給
きんぞくきゅう
勤続期間が増すごとに一定額を自動的に付加していく賃金で、勤続1年につき何円という形で支給される。1年当りの支給額は勤続年数に関係なく定額とする場合と、勤続年数によって差をつける場合とがある。学歴給、年齢給などとともに属人給を構成し、基本給の算定要素として位置づけられている。労働者の企業に対する貢献度を勤続期間を基準にして算定、支給する、いわば勤続功労金としての内容は、定期昇給方式という形態と相まって労働者を企業に引き留め、企業主義を醸成する効果をもつことから、終身雇用とともに年功制度の重要な支柱として機能してきたが、職務給、職能給が拡大するなかで、しだいにその比重は低下してきている。近年の定年延長の動きとも絡んで、一定年齢、一定勤続年数以降は加算額を低減させたり、据え置く方式をとる企業が増大している。
[横山寿一]