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職務給 しょくむきゅうwage based on job function

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

職務給
しょくむきゅう
wage based on job function

職務に応じて賃率を決定する賃金形態。企業などの組織における各種の職務内容や責任の程度などを分析,分類し,それぞれの職務を遂行するのに必要な精神的・肉体的要件を定め,個々の職務の相対的価値を評価し,職務別にその評価に応じた賃率を決定している。そのため職務給には職務分析が必要である。 1930年代にアメリカで開発・普及した賃金形態であるが,日本でも 1955年頃から主として大企業の賃金制度に導入されるようになった。しかし日本では,年功的賃金・人事制度との調和をはかり,同一職務に複数の賃金体系を設ける形や,職能給のような体系をとるところが大部分である。

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デジタル大辞泉の解説

しょくむ‐きゅう〔‐キフ〕【職務給】

職務の種類・内容などに応じて支給される賃金。→職能給

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百科事典マイペディアの解説

職務給【しょくむきゅう】

企業経営の立場から,職務相互間の相対的価値を熟練・責任・努力・作業環境等につき職務評価を行って決定し,それに応じて賃金を定めるもの。職階制の確立した段階では職階給という。
→関連項目賃金形態賃金体系

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ナビゲート ビジネス基本用語集の解説

職務給

仕事に応じて支給額を決定する賃金のしくみ。通常は、職務の要素ごとにポイントを設定し、ある人が担当する職務を定義してその要素ごとのポイントの合計によって賃金水準を決定する。アメリカで広く普及していた。 職務給は仕事に対して金額が設定されているので、同じ仕事を担当するのであれば誰が担当しようと同じ金額が支給される。この点で、年齢給や職能給のような人を基準とした給与と異なっており、経営にとっては職務給のほうが合理的といえる。 しかしながら、職務のローテーションを行い、互いに手伝いながらチームで仕事をする日本の企業風土になじみづらい面がある。そのため、日本では本格的な職務給制度は普及してこなかったが、仕事基準という考え方や日本流にアレンジしたしくみが徐々に広がりつつある。

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世界大百科事典 第2版の解説

しょくむきゅう【職務給】

もともと1930年代以降アメリカの大企業や官公庁など,多数の職種をかかえた経営体で採用されるようになった賃率設定のための技術である。まず(1)経営体のなかのさまざまな職務について,仕事の質・量,内容,方法,作業を遂行するのに必要な資格条件,作業条件を記述し,作業の範囲,量,資格条件などを確定すること(職務分析),(2)その結果を各職務に必要な責任,努力,教育・訓練の程度,生理的・心理的条件・環境などの評価要素により,相対的に評定し,職務を分類すること(職務評価・職務分類),(3)それに基づいて職務等級に格付けし,賃率を結び付ける賃金表を作成すること,(4)各職務に従業員を配置するための昇進試験,人事考課の諸制度をつくり昇給・昇進管理のルールを設定すること,である。

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大辞林 第三版の解説

しょくむきゅう【職務給】

勤続年数などによらず、仕事の内容と責任の度合によって職務に一定の序列を設け、それに応じて支払われる給与。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

職務給
しょくむきゅう
job wage

労働者の職務を基準として決められる賃金で、職能給とともに仕事給の主要な形態をなす。1920年代にアメリカで労務管理の一環として生まれ、40年代、実質賃金の低下による労働意欲の減退に対する対応策として広く活用され、本格的普及をみた。第二次世界大戦後、先進諸国にも拡大した。わが国には、1955年(昭和30)以降、高度成長下の技術革新による労働内容の細分化と職種の職務への分解、それに伴う年功賃金の手直しの必要などを背景に導入が始まり、60年代初頭の鉄鋼大手による一斉導入を契機に広範化した。職務給は以下の三つの段階を経て設定される。
(1)対象となる全職務について職務分析を行って、各職務に含まれる作業範囲、その遂行に必要な条件(知識、熟練、資格)などを決め、職務を確定し標準化する。
(2)確定された各職務について、重要度、困難度、責任度などを測定する職務評価を行い、その結果に基づいて各職務の相対的な価値序列を決める。
(3)この評価結果を賃金に結び付けて職務賃率を定める。その際、評価結果以外に市場賃金の動向、企業の賃金政策などが加味されて最終的に決定される場合が多い。
 職務給は大別すると、各職務ごとにそれぞれ異なる賃率を定める個別職務給と、各職務をいくつかの職級にまとめて賃率を定める職階別職務給とがある。また、一つの職務・職階に単一の賃率を対応させる単一職務給と、賃率に一定の幅をもたせる範囲職務給との区別がある。日本の場合、年功賃金を残しつつ、それとの妥協的形態をとる場合が多く、同一職務・職級内で年功昇給する仕組みをもつ範囲職務給が主流となっている。日本の職務給は、この点に加えて、企業内的性格が強く、職務評価の責任度も事実上企業貢献度として規定されるなど、労務政策的色彩が濃いことがその特徴として指摘されている。
 職務給は、仕事の内容に対応して支払われる形態をとっている点で合理的かつ公正な賃金のようにみえるが、たとえば職務評価における評価要素の選定とそのウェイトのかけ方、評価結果と賃金との結び付け方には客観的基準はなく、多分に企業の意向によって左右されるなど、主観によるところも多い。また、職務別定員の設定が昇進統制を不可避的に呼び起こし、労働者相互の昇進競争、企業による差別的管理を招くなど、かえって不公正さを拡大する側面ももっており、労働組合の側には根強い反対がある。[横山寿一]
『小島健司著『日本の職務給』(1966・大月書店)』

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