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終身雇用 シュウシンコヨウ

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デジタル大辞泉の解説

しゅうしん‐こよう【終身雇用】

企業などが、正規に採用した労働者を、特別な場合以外は解雇しないで定年まで雇用すること。年功序列型賃金などとともに日本の雇用制度の特色とされた。「終身雇用制」

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百科事典マイペディアの解説

終身雇用【しゅうしんこよう】

学校卒業後すぐに就職した企業に,定年まで在籍し続けることを前提とした雇用形態。学歴や企業規模によりこの慣行があるかないかは異なり,必ずしも日本経済全体に浸透しているわけではない。
→関連項目格差社会出向年功序列型賃金非正規労働者無縁社会

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大辞林 第三版の解説

しゅうしんこよう【終身雇用】

雇用されてから定年まで雇用関係が継続する雇用形態。年功序列型賃金などと併せて、日本的雇用関係の特徴とされる。生涯雇用。

出典|三省堂
(C) Sanseido Co.,Ltd. 編者:松村明 編 発行者:株式会社 三省堂 ※ 書籍版『大辞林第三版』の図表・付録は収録させておりません。 ※ それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

終身雇用
しゅうしんこよう
lifetime employment

労働者をいったん採用すると、不況下においても雇用継続にあらゆる努力を行い、よほどのことがない限り定年(2009年現在では60歳かそれ以上)まで雇用を継続すること。
 終身雇用ということばは、アメリカの社会学者ジェームス・アベグレンJames C. Abegglenが日本の工場を調査して著した『The Japanese Factory』に始まる。同書は神戸大学教授占部都美(うらべくによし)により『日本の経営』として訳出され、刊行された。同書でアベグレンは、「どのような水準にある日本の工場組織でも、労務者は入社にさいして、彼が働ける残りの生涯を会社に委託する。会社は、最悪の窮地に追い込まれた場合を除いて、一時的にせよ、彼を解雇することはしない」と記述し、この部分をlifetime commitmentと表現したが、占部がこの部分を「終身雇用の原則」と訳出した。これがきっかけとなって「終身雇用」ということばが生まれたのである。
 終身雇用は、企業と労働者との間の雇用契約や、企業と労働組合との間の労働協約のなかに明文化されているものではなく、いわば労使間の暗黙の了解事項である。終身雇用という慣行の下で、企業は企業の将来の中核となる労働力として、毎年4月にフルタイム労働未経験の新規学卒を採用し、業務遂行の過程で、あるいは業務遂行とは別に教育訓練を施して、また定期的な配置転換を行って、事業活動に必要となる人材に育て上げていく。教育訓練は、大企業では昇進の各段階でも行われるのが普通である。ときには経験者を中途採用することもあるが、大企業に関する限り副次的な採用手段にすぎない。このように終身雇用は、労働者が長期勤続するという前提で成り立っている。終身雇用はすべての労働者に適用されているのではなく正社員に限定されており、パートタイマーや契約社員、期間工などの非正社員には適用されない。
 終身雇用の慣行は、明治期から大正期にかけて、激しい労働移動による非効率を避ける手段として、大企業が労働者の定着化を進めたことがそもそもの発端である。具体的な定着化施策は、退職金制度、年功賃金、共済制度などであり、これによって労働移動がかなり低下し、勤続の長期化が図られ、終身雇用慣行の基礎ができあがったのである。それでも戦前においては、企業経営の状況次第ではしばしば解雇も行われた。
 戦後になって、不安定な経済動向の下で大規模な人員整理を経験した後、労働組合側は組合員の生活安定の観点から雇用安定最優先の政策をとり、これに経営側も同調したことが、雇用安定を土台とする今日の終身雇用慣行を生み出したといえるであろう。もとより、1960年(昭和35)以降、日本の経済が順調に発展し、そのような慣行を支えることができたという事実、そして整理解雇の4要件が多くの判例の集積結果として1970年代に確立されたことも影響している。従業員の整理解雇が法的に認められるには、(1)人員整理の客観的必要性の証明、(2)解雇回避への最大限の努力、(3)整理対象者の客観的・合理的選定、(4)労働者側への十分な説明と協議の実施、の4要件を企業は満たさなければならない。2007年(平成19)に制定(翌年施行)された労働契約法には、第16条において「解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする」として、整理解雇の4要件を意味する内容が盛り込まれた。
 終身雇用は、今日多くの大企業および公共部門に普及しており、中小企業においてもかなりの程度普及している。
 終身雇用の慣行は、就業構造や勤労者意識の変化、技術革新、高齢化、女性化や高学歴化などの労働を取り巻く環境の変化により、その内容が徐々に変質している。すなわち、終身雇用は、上述したように企業を担う基幹的労働者として新規学卒者を採用し、育成し、定年まで雇用するのが基本であるが、従来、基幹的労働者の中途採用を行わなかった企業でも中途採用を行う例が広がるなど、終身雇用慣行の入口のところで変化がみられる。
 また定年延長や企業内労働力の高齢化に伴う人事管理上の問題もあって、企業は同一企業内での定年までの雇用が負担となってきており、企業によっては終身雇用慣行の重要性は認識しつつも、50歳代で子会社や関係会社への転籍を行うところもある。さらに、パートタイマー、アルバイト、フリーター、契約社員、派遣労働者など終身雇用の対象外の非正規雇用を著しく増加させていることにも注目する必要がある。[笹島芳雄]
『J・アベグレン著、占部都美監訳『日本の経営』(1958・ダイヤモンド社) ▽野村正實著『終身雇用』(1994・岩波書店) ▽関口功著『終身雇用制――軌跡と展望』(1996・文眞堂)』

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