日本古代の律令制下で,大学の学生に食料を支給するために設けられた田地。《延喜式》によると不輸租田であり,賃租によって得た地子をその料にあてていた。757年(天平宝字1)奨学のため大学寮30町,雅楽寮・陰陽寮・典薬寮各10町,内薬司8町の公廨(くがい)田を置いたのにはじまるが,794年(延暦13)にいたりこの中の大学寮田30町に越前国加賀郡の大伴家持の没官田102町余を加え勧学田と称したのが正確な起源である。その後,没収や賜給また寄付などによる改変がみられたが,しばらくは200余町の概数を保っていた。設置されたところは,前記の越前のほか,大和国十市郡,近江国栗太郡,山城国久世郡,河内国茨田・渋川両郡,越中国礪(砺)波郡,播磨国印南郡などである。しかし914年(延喜14)の三善清行の《意見十二箇条》によると,当時まで残っていたのは山城国久世郡の7町だけだったという。清行はその増置を求めているが実現せず,律令制の弛緩とともにやがて廃絶していった。
執筆者:泉谷 康夫
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...
11/21 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
10/29 小学館の図鑑NEO[新版]動物を追加
10/22 デジタル大辞泉を更新
10/22 デジタル大辞泉プラスを更新
10/1 共同通信ニュース用語解説を追加