北九州工業地域(読み)きたきゅうしゅうこうぎょうちいき

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「北九州工業地域」の意味・わかりやすい解説

北九州工業地域
きたきゅうしゅうこうぎょうちいき

九州地方北部,福岡県北九州市を中心に,福岡市久留米市山口県の一部に延びる工業地域。広義には福岡県佐賀県長崎県大分県の工業地域を含める。かつては北九州工業地帯と呼ばれ,京浜工業地帯中京工業地帯阪神工業地帯と合わせた四大工業地帯の一つとされていた。交通の便にも恵まれて臨海重化学工業地域として発展。かつては城下町小倉を除き小農漁村にすぎなかったが,19世紀後半に筑豊炭田の大規模な開発が始まり,門司港,若松港が石炭積出港として整備され,日清戦争後,1901年に官営八幡製鉄所操業を開始。日露戦争後,製鉄所はいっそう拡張され,国策にそって飛躍的な発展を遂げ,関連工場も次々に立地した。また中国大陸や海外との地理的位置に恵まれ,原料供給地に近かったことなどから,重化学工業が急速に進み,大工業地域となったが,炭鉱の相次ぐ閉山,素材供給型工業の行きづまりから,高度加工型工業へ転換がはかられた。

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