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大分県 おおいた

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

大分〔県〕
おおいた

面積 6340.71km2(境界未定)。
人口 116万6338(2015)。
年降水量 1644.6mm(大分市)。
年平均気温 16.4℃(大分市)。
県庁所在地 大分市
県木 ブンゴウメ
県花 ブンゴウメ
県鳥 メジロ

九州の北東部,周防灘,伊予灘,豊後水道,日向灘に面する県。北西は福岡県,西は熊本県,南は宮崎県にそれぞれ接する。臼杵-八代構造線以南は九州山地の一部で,満壮年期の地形を示し,東部ではリアス海岸を形成。中部の大野川流域は阿蘇溶結凝灰岩の地域で,その北西に隣接する九重・別府地区には溶岩円頂丘 (鐘状火山) 群が分布し,温泉も豊富。北部は耶馬渓溶岩台地で,その東の国東半島には両子山を中心とする成層火山型の開析火山がある。これら山地の間に日田,玖珠,由布院,竹田などの小盆地があり,海岸には中津,大分の帯状の2平野がある。大部分が瀬戸内気候地域で,山岳地帯は低温地。古くから近畿文化,北九州文化の影響を受けて発達したところで,初めは豊国 (とよのくに) ,7世紀後半に豊前,豊後に分れ,豊後の国府は現在の大分市古国府付近におかれた。その後,宇佐神宮が九州最大の荘園を有して勢力を伸ばしたが,鎌倉時代初めには豊後の守護として大友氏が入国し,以後約 400年にわたり国守の座にあった。大友氏 22代義統 (吉統) が豊臣秀吉により除国されてからは,その領地は多くの大名に分割され,さらに関ヶ原の戦いの結果による転封などを経て,小藩分立のまま明治維新を迎えた。明治4 (1871) 年7月の廃藩置県には杵築,日出 (ひじ) ,府内,岡,森,臼杵,佐伯,中津の諸藩が県となり,明治1年発足の日田県 (旧天領) と合せて9県を数えたが,4年 11月に統合されて大分県となった。ただし県域がほぼ現状のようになったのは小倉県から宇佐,下毛の2郡が移管された 1876年であり,諸藩分立の傾向が薄れて県としての統合が本格化したのは大正以降のことであった。産業では,近年は小売業,サービス業など観光業の比重が高い。農業の比重も高く,特産物としては,国東半島や豊後水道沿岸のミカン,国東半島から日田地方のブドウ,竹田・臼杵地区のカボス (柑橘類) ,国東半島南東部のシチトウイ (七島藺) ,九重・飯田地区の高原野菜などがある。火山山麓や高原では牧畜も行われる。また林業では,日田・玖珠地区のスギ,マツは特に有名。干ししいたけの生産量も日本有数。漁業では,近海沖合い漁業やハマチ,真珠などの養殖,一本釣り漁業が行われる。工業では 1964年,大分市を中心とする3市7町の範囲が新産業都市地区に指定されて,鉄鋼・石油化学コンビナートが完成。ここを中核として,従来の繊維・食品工業から重化学工業への転換が進められている。なお,観光産業も重要で,美しい火山と変化に富んだ海岸美に恵まれ,阿蘇くじゅう国立公園瀬戸内海国立公園のほか耶馬日田英彦山,祖母傾,日豊海岸の3つの国定公園がある。また観光都市別府をはじめ多くの温泉や,国東半島を中心とする社寺,石仏などの文化財も多い。 64年に完成した九州横断道路は,別府市を起点に,由布院盆地,飯田高原を経て阿蘇,雲仙,長崎を結ぶ国際観光道路である。

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デジタル大辞泉の解説

おおいた‐けん〔おほいた‐〕【大分県】

大分

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日本の地名がわかる事典の解説

〔大分県〕大分〈県〉(おおいた〈けん〉)


九州地方北東部に位置する県。
山地が大部分を占め、平野は狭小。大分市を中心に重化学工業が発達し、大分臨海工業地帯を形成。国東(くにさき)半島地域には先端技術産業が集積する。北西は福岡県、南西は熊本県、南は宮崎県に接する。東側は周防灘(すおうなだ)・伊予(いよ)灘・豊後(ぶんご)水道に面して中国地方・四国地方と対する。複雑な地形が産業発展を妨げた反面、個性豊かな地域文化を育成した。過疎化対策としての一村一品運動の発祥地でもある。人口119万6804。面積6339.74km2。人口密度188.78人/km2。管轄市町村は14市3町1村。県庁所在地は大分市。県花はブンゴウメ。
歴史を見ると、早水台(そうずだい)遺跡(速見郡日出(ひじ)町)・岩戸遺跡(豊後(ぶんご)大野市)などに旧石器時代から人類居住が認められ、大石(おおいし)遺跡・吹上(ふきあげ)遺跡など縄文時代・弥生時代の遺跡も数多く分布。北九州・畿内(きない)の両文化圏と密接に関係し、前方後円墳・装飾古墳が残る。古代には豊国(とよのくに)と称し、大化(たいか)の改新後に豊前(ぶぜん)・豊後の2国に分かれた。鎌倉時代には豊後国の守護として大友(おおとも)氏がこの地に入り、以後約400年にわたって支配したが、豊臣秀吉(とよとみひでよし)の朝鮮出兵後に大友氏は滅亡。県域は20余りの小藩と幕府直轄領に分割された。幕末には中津(なかつ)・杵築(きつき)・日出・府内・臼杵(うすき)・佐伯(さいき)・岡・森の8藩と幕府直轄領などがおかれた。1871年(明治4)、廃藩置県ののち統廃合を経て豊後国全域が大分県として成立。1876年に豊前国の一部である宇佐(うさ)・下毛(しもげ)の2郡を編入して現県域となった。
地勢を見ると、北部は溶岩台地からなり、南部は九州山地の一部を構成する。これらに挟まれて別府(べっぷ)火山群と、くじゅう連山の火山地帯が中部に展開し、火山半島である国東半島につながる。県域の約71%が山林で、平地に乏しい。平野は大分平野と中津平野の南西部のみで、ほかに多数の盆地と小海岸平野の低地が散在する。南東部の海岸線はリアス式海岸で変化に富み、国東半島では放射谷が発達する。気候は、大分から国東半島を経て中津に至る別府湾以北の沿岸部は温暖少雨の瀬戸内式気候、山地部は冷涼多雨の山岳気候、盆地は内陸性気候。豊後水道沿岸は日向灘(ひゅうがなだ)の黒潮(日本海流)の影響を受け高温多雨。
産業は、農業では、平地が少ないため経営規模は小さいが、気候に恵まれて多彩な生産物がある。この多品種少量生産型の農業が1979年(昭和54)以降の一村一品運動につながった。全国第1位の生産量を誇る特産のカボスを筆頭に、柑橘(かんきつ)類の生産量は全国有数。白ネギ・オオバ・トマト・イチゴなどの栽培のほか、くじゅう連山の原野で飼育される肉用牛などが主要産品。林業も盛んで、日田(ひた)・英彦(ひこ)山を中心にスギ材を生産。生産量全国一の乾燥シイタケの栽培も有名。工業では、1964年に大分新産業都市区域が指定されて以来、大分市を中心とする臨海地帯で重化学工業が発達。続いて1984年に県北国東地域テクノポリスが国の指定を受け、IC(集積回路)関連の先端技術産業が集積した。工業製品出荷額は九州では福岡県に次ぎ第2位。在来工業では麦焼酎(しょうちゅう)・みそ・木工品などを産する。鉱業では、津久見(つくみ)市周辺の石灰石採掘が名高い。
観光では、温泉源泉総数・湧出(ゆうしゅつ)量で全国第1位を誇る温泉県。とくに別府温泉は単一の温泉としては世界一の湧出量で、別府市には年間約1100万人の観光客が訪れる。音楽祭や映画祭を恒例化した湯布院(ゆふいん)温泉も有名。国東半島の磨崖仏(まがいぶつ)などの石造文化財や、全国八幡宮の総本社である宇佐神宮が有名。瀬戸内海国立公園・阿蘇くじゅう国立公園の一部を構成。くじゅう連山・英彦山・祖母(そぼ)山・傾(かたむき)山などの山岳、耶馬(やば)渓(耶馬日田英彦山国定公園)や日豊(にっぽう)海岸(日豊海岸国定公園)の景勝ほか、複数の県立自然公園が広がる。国の重要無形民俗文化財に指定されている民俗芸能・風俗習慣に、吉弘楽(よしひろがく)、古要(こよう)神社の傀儡子(くぐつ)の舞と相撲(中津市)・修正鬼会(しゅじょうおにえ)(国東市)、御嶽(おんだけ)神楽(豊後大野市)、日田祗園の曳山(ひきやま)行事(日田市)があるほか、別府市には別府明礬(みょうばん)温泉の湯の花製造技術が民俗技術として伝わる。祭りでは、別府市のべっぷクリスマスHANABIファンタジア、臼杵市のうすき竹宵(たけよい)、大分市の大分七夕まつり・本場鶴崎踊大会、国東市のケベス祭、杵築市のどぶろく祭り、豊後大野市のひょうたん祭り、豊後高田市のホーランエンヤ、宇佐市の宇佐神宮夏越祭り、由布市の牛喰い絶叫大会、九重(ここのえ)町の九重氷の祭典、日田市の小鹿田焼(おんたやき)民陶祭など、ユニークな観光行事や奇祭が各地で開催される。
宇佐市
臼杵市
大分市
杵築市
玖珠郡
国東市
佐伯市
竹田市
津久見市
中津市
速見郡
東国東郡
日田市
豊後大野市
豊後高田市
別府市
由布市

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事典 日本の地域ブランド・名産品の解説

大分県

九州地方北東部に位置する県。北部は周防灘、東部は瀬戸内海に面する。南部には九州山地がひろがる。気候は概ね温暖であるが、瀬戸内型・太平洋型・内陸型など地域によって異なる。農業・水産業・電気機械工業が盛ん。県花は、ぶんご梅。県木は、ぶんご梅。県鳥は、めじろ。

[大分県のブランド・名産品]
青長地這キュウリ | 安心院のすっぽん | 宇佐ぶどう | 臼杵煎餅 | 大分味一ねぎ | 大分いちご | 大分しいたけ | 大分のカボス | 大分ヒラメ | 大分麦焼酎,大分むぎ焼酎 | 久住たかな | くにさき銀たち | 車えび | 城下鰈 | 白ねぎ | 関あじ | 関さば | 豊の活ぶり | トルコギキョウ | ハウスみかん | 薔薇 | 日田梨 | 姫島かれい | ブルーベリー | 豊後牛 | 豊後別府湾ちりめん | 別府竹細工 | 柚子胡椒 | 輪ギク

出典 日外アソシエーツ「事典 日本の地域ブランド・名産品」事典 日本の地域ブランド・名産品について 情報

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