医王山遺跡群(読み)いおうぜんいせきぐん

日本歴史地名大系 「医王山遺跡群」の解説

医王山遺跡群
いおうぜんいせきぐん

[現在地名]福光町香城寺・才川七・小山など

医王山東麓一帯に分布する古代から中世近世に至る遺跡群。平成二年(一九九〇)から同四年にかけて分布調査や発掘調査が行われた。その結果、山岳宗教や真宗の道場跡と考えられる平坦面のほか、拠点となった寺院施設・墳墓をはじめ古代の須恵器窯跡群、中世の城跡など一〇〇ヵ所を超す遺跡が確認された。

〔香城寺遺跡〕

香城寺こうじようじ地区の標高二〇〇メートルの所にある中世の遺跡。周囲は石垣をめぐらせた雛壇状の段差の大きい水田地帯である。昭和五六年(一九八一)に行われた発掘調査で高低差をもつ各段から掘立柱建物跡や庭園を思わせる石列、竪穴状遺構三ヵ所などが検出された。竪穴状遺構の形状は隅丸方形や不整方形などで、大きさも様々であるが、内部からは土器陶器、箸・下駄籾殻などが出土している。とくに三号竪穴遺構には排水溝とみられる施設があり、下駄、籾殻が出土していることから厨房的施設と推定されている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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