医療制度改革(読み)いりょうせいどかいかく/2006ねんいりょうせいどかいかく/にせんろくねんいりょうせいどかいかく

知恵蔵 「医療制度改革」の解説

医療制度改革(2006年)

2006年6月、高齢者医療制度創設や医療費を抑制するための医療制度改革法が成立した。02年の改革に続くもので、医療制度を広範囲に見直す大改革だ。主な柱は、(1)高齢者の負担増=現役並みの所得がある高齢者の患者負担を2割から3割に引き上げる。療養病床に入院する高齢者の食費光熱費を自己負担とする。70〜74歳の高齢者の患者負担を1割から2割に引き上げる。(2)高齢者医療制度の創設=現行老人保健制度を改め、08年度から75歳以上の高齢者を対象に新しい高齢者医療制度を創設する。65歳から74歳の前期高齢者の医療費は各保険者の負担の不均衡を加入者数に応じて調整する。(3)医療費の抑制=08年度から都道府県は5カ年の「医療費適正化計画」を作成。病院の平均在院日数の短縮や生活習慣病の予防などによる医療費抑制目標を盛り込む。また全国一本だった政管健保は都道府県単位で財政運営することにし、国民健康保険も広域化をめざす。厚生労働省はこうした一連の改革により25年度に56兆円になる医療給付費を48兆円に抑えることができると試算している。

(梶本章 朝日新聞記者 / 2007年)


医療制度改革(2002年)

2002年7月に成立した健康保険法等改正健康増進法に盛り込まれた医療制度の改革。主な内容は、(1)サラリーマンが加入する医療保険の本人負担を2割から3割に引き上げる(03年4月実施)、(2)サラリーマンの保険料を月額報酬からボーナスを含めた総報酬制にし、政管健保の保険料は8.2%に実質引き上げる(03年4月実施)、(3)70歳以上の高齢者の自己負担を1割の完全定率制とし、現役並みの所得がある高齢者は2割とする(02年10月実施)、(4)高齢者医療のための老人保健制度は、対象年齢を70歳以上から75歳に5年間で段階的に引き上げ、公費負担も3割から5割に段階的に引き上げる(02年10月実施)、など。健康増進法は政府が掲げた健康づくり計画「健康日本21」を裏付けるもので、健康診査の全国標準化などを定めている。

(梶本章 朝日新聞記者 / 2007年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

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