千振(読み)センブリ

デジタル大辞泉 「千振」の意味・読み・例文・類語

せん‐ぶり【千振】

リンドウ科越年草。日当たりのよい山野などに生え、高さ約25センチ。茎は四角柱で暗紫色、葉は線形。秋、花びらの5裂した、紫色すじのある白い花を開く。全体に苦味があり、胃腸薬に用いられる。名は、煎じて千回振り出してもまだ苦いことに由来。当薬とうやく。医者倒し。 秋》

脈翅みゃくし目センブリ科の昆虫の総称。体長1~2.5センチ、はねの開張2~4センチ。ヘビトンボに似るが、それより小形で黒色単眼がない。幼虫は小さな流れにすみ、成虫は初夏のころ水辺を飛ぶ。
㋑センブリ科の昆虫。北海道・シベリアに分布し、水辺の草上にみられる。

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精選版 日本国語大辞典 「千振」の意味・読み・例文・類語

せん‐ぶり【千振】

  1. 〘 名詞 〙
  2. リンドウ科の二年草。本州・九州・朝鮮・中国の山野の日当たりのよい草地に生える。高さ二〇~三〇センチメートル。茎は四角柱状で暗紫色を帯びる。葉は対生し長さ三センチメートル内外の線状披針形。秋、茎頂や上部の葉腋に白色で紫脈のある花をつける。花冠は径約二センチメートルで深く五裂する。全草を乾燥したものを当薬(とうやく)といい、古くから健胃薬として用いられている。また、衣類の染料として用いれば、虫除けとなる。千回煎(せん)じて振り出しても苦味が残るということからこの名がある。とうやく。《 季語・秋 》 〔大和本草(1709)〕
    1. [初出の実例]「千振の外に立ゆく胡蝶哉」(出典:妻木(1904‐06)〈松瀬青々〉秋)
  3. アミメカゲロウ(脈翅)目センブリ科の昆虫。体長約一五ミリメートル、はねの開張三センチメートルぐらい。ヘビトンボに似ているが、はるかに小さく、単眼がない。体は黒色。はねは幅広く、暗色で半透明。初夏のころ水辺を静かに飛ぶ。幼虫は小川の底に埋まってすみ、食肉性。北海道、シベリア、ヨーロッパ北部に分布する。本州に分布するのは近縁種のヤマトセンブリ。〔日本昆虫学(1898)〕

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動植物名よみかた辞典 普及版 「千振」の解説

千振 (センブリ)

学名Swertia japonica
植物。リンドウ科の二年草,園芸植物,薬用植物

千振 (センブリ)

動物。センブリ科の昆虫

出典 日外アソシエーツ「動植物名よみかた辞典 普及版」動植物名よみかた辞典 普及版について 情報

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