半夜(読み)ハンヤ

デジタル大辞泉 「半夜」の意味・読み・例文・類語

はん‐や【半夜】

まよなか。夜半。また、の刻からうしの刻まで。
「―行人稀なる築地居留地を歩して」〈芥川開化殺人
一夜を二分したその半分。「半夜の宴」
江戸時代、京都島原・大坂新町などで、昼夜に分けて客をとった遊女。半夜女。
「遊女の有様、昼夜のわかちありて、―とせはしくかぎり定めるは」〈浮・一代男・一〉

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精選版 日本国語大辞典 「半夜」の意味・読み・例文・類語

はん‐や【半夜】

〘名〙
① まよなか。夜半(やはん)。また、子(ね)の刻から丑(うし)の刻に至るまでをさす。中夜。
※菅家文草(900頃)二・同諸才子、九月卅日、白菊叢辺命飲「蓋白菊孤叢、金風半夜」 〔王維‐扶南曲歌詞〕
② 一夜を二分したうちの一方。一夜の半分。
※良人の自白(1904‐06)〈木下尚江〉後「三年四年の講義研究は、与三さん、君が半夜の一言にも値いしなかった」
③ 江戸時代、京都島原、大坂新町など上方遊里で、昼夜に分けて客を取った遊女。揚代格式は囲(かこい)女郎同格。半夜女(はんやおんな)
※評判記・満散利久佐(1656)野風「さるを、あやしき。かこひ半夜(ハンヤ)などにも、此名有、いたむべし」
④ 夜中までともっている燭台。〔日葡辞書(1603‐04)〕

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普及版 字通 「半夜」の読み・字形・画数・意味

【半夜】はんや

夜半。

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