20世紀日本人名事典 「南博」の解説
南 博
ミナミ ヒロシ
昭和・平成期の社会心理学者,評論家 一橋大学名誉教授;中国人民大学名誉教授。
- 生年
- 大正3(1914)年7月23日
- 没年
- 平成13(2001)年12月17日
- 出生地
- 東京都港区
- 学歴〔年〕
- 京都帝国大学文学部哲学科〔昭和15年〕卒,コーネル大学大学院〔昭和18年〕博士課程修了
- 学位〔年〕
- Ph.D.,文学博士
- 主な受賞名〔年〕
- 毎日出版文化賞〔昭和25年〕「体系社会心理学」
- 経歴
- 昭和18〜21年コーネル大学附属行動研究所員兼講師、22年一橋大学講師、25年社会学部助教授、33年教授、53年名誉教授、同年成城大学教授を歴任し、56年日本心理センターを設立、所長。アメリカの社会心理学の方法をもとに、日本の社会心理学を初めて体系的な理論として確立。その方法論を生かして28年に発表した「日本人の心理」は日本人の自我の弱さを指摘して話題に。のちの“日本人学”提唱の先駆けとなった。また、“伝統芸術の会”や、哲学者・鶴見俊輔らの“思想の科学研究会”に参加、マスコミ理論の紹介に努め、大衆娯楽、日本人論など幅広い評論活動を行った。テレビ番組にも出演し、ユニークな視点に立った研究は日本の社会心理学の基盤を築いた。61年日本ジャーナリスト専門学校校長。他の主著に「体系社会心理学」「社会心理学入門」「人間行動学」「自己発見の方法」「日本的自我」、「深層心理なるほど講座」「南博のストレス・カウンセリング」「化粧とゆらぐ性」、編著に「近代庶民生活誌」(全20巻)、訳書に「エロス的文明」「アメリカン・カップルズ」(全2巻)、「フェイス・ヴァリュー」「ライフサイクルの心理学」〈上・下〉など多数。妻で女優の東恵美子とは長年別居したままの“自由結婚”を続けた。
出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報