出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
大阪府と和歌山県に169.1km(2005)の営業路線を有する民営鉄道。南海電鉄と通称。難波(なんば)~和歌山市間の南海本線と汐見橋~極楽橋間の高野(こうや)線のほか,数本の支線から成る。このうち関西空港への空港線8.8kmのうち6.9kmは関西国際空港に,和歌山港線2.8kmのうち2kmは和歌山県に属するものであり,第二種鉄道事業として営業している。現存する民営鉄道のうち最も古く,1884年設立の阪堺(はんかい)鉄道が前身。98年阪堺鉄道は南海鉄道(1893年紀摂鉄道として設立)に統合された。南海鉄道の電化は1907年で,蒸気鉄道の電化としては甲武鉄道(現,JR中央本線)に次ぐ。高野線は22年に大阪高野鉄道を合併したものである。第2次大戦中に近畿日本鉄道に統合されたが,47年に分離し現社名となった。南海本線は大阪と泉南の各都市や和歌山を結ぶ都市間電車で,一部の列車は和歌山港支線に乗り入れて南海フェリーによる四国連絡ルートを開いている。94年には関西国際空港の開設に伴い,JR阪和線とともにこれに乗り入れて航空旅客輸送を行っている。難波~住之江間は早くから複々線化されている。高野線は高野山への参詣客輸送のほか,近年は沿線の宅地化がめざましい。資本金637億円(2005年9月),売上高1962億円(2005年3月期)。
執筆者:和久田 康雄
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出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…大阪と堺および和歌山を結ぶ鉄道は明治中期から建設の気運が高く,1888年大阪~堺間(のちの南海鉄道。現,南海電気鉄道)が開業し,1903年和歌山まで全通,11年には全線が電化され,関西では有数の私鉄に成長していた。これに対し30年6月,阪和電気鉄道が海岸寄りを走る南海鉄道とほぼ並行しながら天王寺~東和歌山(現,和歌山)間を開業し,南海鉄道と激しい競争を繰り広げた。…
※「南海電気鉄道」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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