南部氏館跡(読み)なんぶしやかたあと

日本歴史地名大系 「南部氏館跡」の解説

南部氏館跡
なんぶしやかたあと

[現在地名]南部町南部

南部の町並の北寄り、国道五二号の旧道の北側、富士川の流れに面した小高い所が跡地と伝えられるが、周辺に確かな遺構はみられない。館跡のすぐ西には比高一〇〇メートルほどのじよう山がある。遺構の中には烽火台の跡や焔硝蔵跡などの伝承のある部分もみられ、戦国期の様相をもつ。南部氏は甲斐源氏の一流で、加賀美遠光の三男光行が南部に住したのに始まる。


南部氏館跡
なんぶしやかたあと

[現在地名]身延町梅平

波木井はきい川の右岸梅平うめだいらの町並の南側の一段と小高い場所にある。標高二一〇メートルほどの尾根状の台地が御屋敷跡と伝えられ、その一画をさして「おかまど跡」の呼称も残る。昭和五八年(一九八三)・同五九年に発掘調査が実施され、尾根を削平して平坦面を造り出していることや三間×四間の掘立柱建物跡一棟分などが確認されている。この建物跡には竈もしくは炉の跡とみられる遺構が伴い、伝承との関連が注目される。南部氏は甲斐源氏の一流で、加賀美遠光の三男光行が平安時代の末頃から南部(現南部町)に居を構え、現在の南部町から身延町にかけての地域を領有したのに始まる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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