印旛沼干拓(読み)いんばぬまかんたく

山川 日本史小辞典 改訂新版 「印旛沼干拓」の解説

印旛沼干拓
いんばぬまかんたく

千葉県北部印旛沼は,利根川水系の旧支谷を土砂が堰き止めてW字型の沼になったもので,沼面標高1m,最深1.8m,干拓前の面積21.3km2。江戸時代に干拓工事が3度(享保天明天保)試みられたがいずれも失敗。維新後にも計画があったが,着手されなかった。1946年(昭和21)国営事業として干拓工事が開始され,途中で工業用水確保のために北部・西部の二つの調整池が設けられて,69年に13.9km2干拓地がうまれた。沼水は印旛沼放水路(新川(しんかわ)・花見川)から東京湾に排水される。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「印旛沼干拓」の意味・わかりやすい解説

印旛沼干拓
いんばぬまかんたく

印旛沼は利根川下流の沼で,洪水期に冠水の害が頻発するため,江戸幕府は享保9 (1724) 年,天明5 (58) 年,天保 14 (1843) 年と3度干拓を計画。天保のそれは老中水野忠邦により天保の改革一環として着手されたが難航水野失脚により中止,失敗に帰した。

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世界大百科事典(旧版)内の印旛沼干拓の言及

【印旛沼】より

…周縁には国の重要文化財の寺院が多く,佐倉惣五郎の伝説にちなむ甚兵衛渡しもあり,県立印旛手賀自然公園に含まれるが,かつての面影はすでにない。【菊地 利夫】
[近世の印旛沼干拓]
 江戸時代には,干拓,治水,水運の利益を得るため,沼の西端平戸村から検見川村まで延長約17kmの掘割を掘り,沼の水を江戸湾に落とそうとする工事が3回行われた。第1回目は,1724年(享保9)に平戸村の染谷源右衛門が幕府に出願したことから始まる。…

※「印旛沼干拓」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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