まず材料をみてからそれに適する調理法を考えてつくる料理。江戸時代後半に普及した会席料理は膳(ぜん)の数も二つと簡略化され、料理の型も『料理早指南』(1822)によれば、(1)飯、(2)汁、(3)膾(なます)、(4)附合(つけあわせ)、(5)手塩皿(香物(こうのもの))、(6)平(ひら)皿、(7)大ちょく、(8)茶碗(ちゃわん)となる。だがしだいに見場(みば)を重んじ、おもしろい料理の取り合わせを追うようになり、その傾向への不満から即席料理は発達した。同書に「即席料理と部立(ふだて)せしは先(まず)魚をえて、さて其(その)魚に依(より)て趣向するゆえに名付く」とあるように、即席といっても食味を重んじたものであった。同書の即席料理の部でタイをみると、平皿用には「おらんだ焼」とあり「切身にして串(くし)にさし、玉子くだきかきまぜ、かけながら焼くなり」と説明されている。江戸では江戸前の魚を、大坂では瀬戸内海の魚を即席に調理する即席料理屋が19世紀初めには多くできる。タイの潮煮(うしおに)、塩焼き、エビの鬼殻(おにがら)焼き、カツオの刺身などが即席料理として発達し、しだいに客の注文に応じてつくるのを即席料理というようになる。明治になってからは、追い込みの部屋で飲食させる店を即席料理屋、個別に座敷で飲食させる店を会席料理屋といった。『割烹店(りょうりや)通誌』(1885)に、柳橋(やなぎばし)の酒楼中一軒だけが「即席御料理の招標(かんばん)を表出する」とあるが、調理も値段も他料亭と大差なく、追い込み式でもなくとあり、実際は会席料理屋であったように混同使用もあったが、明治なかば以後はてんぷらや豆腐料理の専門店、小料理屋、大衆料理店などを即席料理の店というようになる。
[小柳輝一]
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