ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「原始国家」の意味・わかりやすい解説
原始国家
げんしこっか
primitive state
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アフリカのズールー、アンコーレ、中南米のインカ帝国、アステカ帝国などのように、文字をもたない社会でありながらも高度に組織された政治形態をもち、国家とよぶにふさわしい機構を整えている社会は、原始国家とよばれ、国家の一形態、あるいは特殊な国家として扱われてきた。
これらの社会は、中央集権的権威の存在、一般人民と異なる行政官によって構成される行政機構、整備された司法制度、富と権威の社会的分布、そして権威と権力の分布に応じた階層の存在などによって、国家としての要件を満たすとされる。そして、近代国家や古代国家などと比較して特徴的なのは、王が単なる世俗的統治者ではなく、神話・伝説によって神話的起源をもち、また象徴物の存在などによって神格化されていること、そしてさらに、そのことによって王権が正当化されていることなどであるとされてきた。しかし、ヨーロッパやアジアの古代国家とは共通点が多く、原始国家の特殊性は疑問視されてきている。また、アフリカのアンコーレ王国は征服によって形成されたため、国家起源に関する征服説の例証として扱われることがある。
[豊田由貴夫]
敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...