原発事故(読み)げんぱつじこ

百科事典マイペディア 「原発事故」の意味・わかりやすい解説

原発事故【げんぱつじこ】

原子力発電に関連する原子炉核燃料加工,核燃料再処理などで起こる事故で,放射性物質の大量の外部放出・流出を生じさせる可能性があるきわめて危険な事故。国際原子力機関IAEA)は,INES国際原子力事象評価尺度)に基づいて事故の重大性のレベルを公表する。有名な事故として,チェルノブイリ原発事故(レベル7),スリー・マイル・アイランド原発事故(レベル5),東海村臨界事故(レベル4)がある。2011年3月に起こった福島第一原発の事故は,レベル7で,チェルノブイリと同等の史上最悪事故となった。事故後,2011年12月野田政権は原子炉が冷温停止状態に達したとして事故そのものは収束したと宣言。しかし,メルトダウン炉心溶融)を起こした原子炉の残骸放射性廃棄物,大量かつ高濃度放射能汚染水などの処理は進んでおらず事故は到底収束したとはいい難い。2013年4月には,東京電力は福島第一原発内の地下貯水槽からストロンチウムなどを含む高濃度汚染水が漏出したと発表。地下貯水槽に汚染水を貯める方式自体の再検討を迫られている。また,政府及び国会それぞれ立ち上げた事故調査委員会による事故原因・経過調査も事故の全体像を解明したとはいえず,この点でも福島第一原発事故が収束したとはいえない状況にある。→原子力発電原子力災害原子力安全委員会
→関連項目原子炉東京電力[株]

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