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東海村臨界事故 とうかいむらりんかいじこ

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知恵蔵2015の解説

東海村臨界事故

茨城県東海村にあったウラン燃料加工会社のジェー・シー・オー(JCO)東海事業所で、1999年9月30日に起きた事故。ウラン溶液の精製作業中に核分裂連鎖反応が始まる臨界状態になった。臨界状態は約20時間も続き、継続時間と核分裂量(推定1mg)で、世界で過去にあった臨界事故20件のうち3番目の規模となった。周辺住民が避難し、原子力事故の国際評価尺度で4(所外への大きなリスクは伴わない事故)と判定された。作業員3人が大量被曝(ひばく)し、うち推定被曝量が致死量をはるかに上回る16〜20シーベルト(Sv)の大内久さんが12月21日、同6〜10Svの篠原理人さんが2000年4月27日に亡くなった。日本の原子力事故での初の被曝死となった。現場周辺の放射線量は、同事業所の敷地境界(事故現場から80m)に事故の間ずっと居続けたとすると、92mSv(ミリシーベルト)(一般人の年間線量限度の92倍)の被曝になる量。避難の境界となった350m地点でも1.2mSvだった。国の推定によると、周辺住民を含めた被曝者は計667人。この事故が起きる直前の99年6月には、北陸電力志賀原発1号機(石川県志賀町)でも定期検査中に臨界事故が起きていたことが、後に判明した。作業員の被曝はなかった。

(渥美好司 朝日新聞記者 / 2008年)

出典|(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵2015」
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百科事典マイペディアの解説

東海村臨界事故【とうかいむらりんかいじこ】

1999年9月30日,茨城県東海村の核燃料加工会社ジェー・シー・オー(住友金属鉱山子会社)で起きた,日本の原子力産業史上最悪(当時)の事故。核燃料サイクル開発機構の高速増殖実験炉〈常陽〉むけの燃料加工の工程で,ウラン溶液が臨界状態に達して核分裂が起こり,約20時間持続した。
→関連項目原子力安全委員会原子力発電原発事故放射能汚染

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

東海村臨界事故
とうかいむらりんかいじこ

ジェー・シー・オー臨界事故」のページをご覧ください。

出典|ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

東海村臨界事故
とうかいむらりんかいじこ

1999年(平成11)9月30日午前10時35分ごろ、茨城県東海村の核燃料加工施設(JCO、旧日本核燃料コンバージョン)で発生した重大な臨界事故。3人の作業者がそれぞれ18.4、10.4、2.53シーベルトの大量被曝を受けた(人間の致死線量は約7シーベルト)。事故は、高速増殖炉開発のための実験炉である「常陽」の18.8%高濃縮ウラン溶液を取り扱う作業中に発生した。効率をあげるためマニュアルに反して沈殿槽に限度を超えたウラン溶液を注入した結果、臨界超過状態が発生し、いわば「裸の原子炉」が出現してしまったのである。JCOは臨界事故の発生を想定していなかったため、作業者に対する教育・訓練もなされておらず、中性子測定器も緊急事態対策計画も準備されていなかった。事故の5時間後に半径350メートル以内の住民に対する避難勧告が出されたが、その間の被曝は公衆に対する年間線量限度(1ミリシーベルト)を超えていた。被曝のほぼ半分は、超臨界状態が出現した直後の25分間に起こり、中性子反射体の役割を果たしていた沈殿槽の冷却水を抜き、中性子を吸収するホウ素剤を注入して臨界を脱するまでにほぼ20時間を要した。施設周辺の土からはヨウ素131などの放射性核分裂生成物が検出されたが、幸い汚染は深刻なレベルではなかった。しかし、風評被害を含めて、茨城県産の農作物は深刻な打撃を受けた。また、時の経過とともに、ずさんな管理体制がつぎつぎと明らかになった。さらに1999年12月、2000年(平成12)4月には懸命の治療にもかかわらず大きな被曝を受けた作業者2人が相次いで死亡、原子力発電の安全性に対する社会的な信頼を大きく揺るがすこととなった。この事故をきっかけとして、原子力防災体制の整備を目ざす「原子力災害対策特別措置法」が1999年12月に成立、2000年6月に施行された。[安斎育郎]

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