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原子力安全委員会 げんしりょくあんぜんいいんかい

7件 の用語解説(原子力安全委員会の意味・用語解説を検索)

知恵蔵の解説

原子力安全委員会

原子力の安全確保のための規制を担当する委員会。事務局は内閣府内。原子力船「むつ」の放射線漏れをきっかけに、原子力行政を推進する原子力委員会安全審査も所管することへの批判が高まり、1978年10月に設置された。委員長を含む5人の委員で構成。安全審査基準を定めて、それに基づいて審査を行う。内閣総理大臣を通じて関係行政機関に勧告する権利をもっている。委員会の下に原子炉安全専門審査会(非常勤審査委員60人以内で構成)と核燃料安全専門審査会(同40人以内)、分野ごとの専門部会がある。また、大事故の際に、国や自治体を支援するための緊急技術助言組織ももつ。実用発電炉やウラン濃縮使用済み核燃料再処理などの安全審査は直接には経済産業省が行い(一次審査)、安全委員会はその審査の妥当性を審査する(二次審査)というダブルチェック体制の一方の役割を受け持つ。

(渥美好司 朝日新聞記者 / 2008年)

出典|(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」
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朝日新聞掲載「キーワード」の解説

原子力安全委員会

国や電力事業者を指導する権限を持ち、経産省原子力安全・保安院が審査した内容を国や電力事業者から独立した中立的な立場でさらに審査する。内閣府に置かれている。来年4月に原子力安全庁(仮称)が環境省に設置されるのに伴い、同庁の安全規制全体をチェックする原子力安全審議会(仮称)となる見通し

(2011-12-18 朝日新聞 朝刊 2社会)

出典|朝日新聞掲載「キーワード」
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デジタル大辞泉の解説

げんしりょく‐あんぜんいいんかい〔‐アンゼンヰヰンクワイ〕【原子力安全委員会】

平成24年(2012)まで内閣府に設置されていた行政機関。日本の原子力安全規制に関する政策の決定や安全規制基準・指針類の策定を行う組織として、昭和53年(1978)に原子力委員会から分離して新設。平成24年9月に廃止され、原子力規制委員会へ移行した。NSC(Nuclear Safety Commission)。

出典|小学館
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百科事典マイペディアの解説

原子力安全委員会【げんしりょくあんぜんいいんかい】

原子力の研究,開発,利用に関する国の施策を計画的に遂行し,とくに安全確保の充実強化を主任務として,1978年10月に総理府に設置された。原子力の研究,開発および利用に関する事項のうち,安全の確保のための規制に関する事項について企画し,審議し,決定する権限を持つ。
→関連項目アメリカ原子力委員会伊方原発大飯原発原子力委員会原子力発電原発事故

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト
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世界大百科事典 第2版の解説

げんしりょくあんぜんいいんかい【原子力安全委員会】

原子力の研究,開発および利用に関する国の施策を計画的に遂行し,原子力行政の民主的な運営を図ることを目的として,1978年10月に新たに総理府に設置された委員会。原子力の研究,開発および利用に関する事項のうち,安全の確保のための規制に関する事項について企画し,審議し,決定する権限を有しており,内閣総理大臣は,原子力安全委員会の決定について報告を受けたときは,これを十分に尊重しなければならない。また,所掌事務について必要があると認めるときは,内閣総理大臣を通じて関係行政機関の長に勧告することができること等の法的権限を有している。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト
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大辞林 第三版の解説

げんしりょくあんぜんいいんかい【原子力安全委員会】

原子力利用に関する政策のうち、安全確保についての企画・審議・決定を行う内閣府の付属機関。1978年(昭和53)設置。 NSC 。

出典|三省堂
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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

原子力安全委員会
げんしりょくあんぜんいいんかい

日本の原子力の研究・開発および利用に関する事項のうち、安全確保に関する事項について企画し、審議し、決定する権限を有する委員会。1974年(昭和49)原子力船「むつ」の放射線漏れ事故を契機に、原子力行政、とくに安全規制のあり方についての見直しが行われ(原子力行政懇談会)、従来の原子力委員会の機能のうち、安全規制を独立して担当する原子力安全委員会が旧総理府に設置された(1978年10月4日)。その後、2001年(平成13)1月の中央省庁再編により総理府が再編統合されて内閣府となったのに伴い、原子力委員会とともに内閣府に移行した。
 原子力安全委員会は、国会の同意を得て内閣総理大臣が任命する常勤および非常勤の委員5名で組織され、委員長は常勤委員のうちから互選によって選ばれる。初代委員長は吹田徳雄(すいたとくお)
 原子炉安全専門審査会および核燃料安全専門審査会が常置されているほか、原子炉や核燃料の安全基準などの各種専門部会が設けられて調査審議を行っている。内閣総理大臣の報告尊重義務などは原子力委員会と同じであるが、アメリカの原子力規制委員会などのような強大な権限を有する行政委員会ではないため、実際の許認可権を掌握する経済産業省(旧通産省)などに対し、有効な再審査(ダブルチェック)が可能かどうかが危惧(きぐ)されている。
 また、原子力の研究開発は文部科学省(科学技術庁と文部省が統合)が担当し、原子力のエネルギー利用に関する規制・安全確保等の所掌は経済産業省が担当することになった。また、経済産業省外局の資源エネルギー庁に原子力安全・保安院が設けられた。
 原子力安全委員会の内閣府への移行は、同委員会の重要性が増していることを示すものではあるが、安全確保の作業に必要なスタッフの多くが、原子力安全・保安院に移る可能性があり、内閣府でのスタッフ確保が委員会機能の有効性を左右する。2001年現在の原子力安全委員会事務局は、総務課のほかに審査指針課、管理環境課、規制調査課という構成となっている。
 1999年9月30日に茨城県東海村の核燃料加工工場(JCO東海事業所)で起こった臨界事故は、作業員2名の死亡をもたらしたわが国原子力開発史上最悪の事故となり、同時にわが国の安全規制体制の欠陥をあからさまに示す結果となった。事故発生に際して、安全規制を担う国の機関である原子力安全委員会と旧科学技術庁の両機関ともに防災上拙劣な対応しかとれないまま延々と時間を過ごし、付近住民を中性子照射に曝(さら)されるままにした。事故の終息のために現地に赴いた一原子力委員が述べているように、安全委員は何らの行政権限をもたないために、終息のための措置は命令ではなく要請にとどまったのである。事故の安全審査上の問題点として、(1)中・高濃縮ウラン用の「安全審査指針」をもたずに安全審査が行われていたこと、(2)臨界防止に必要な形状制限が認可された装置では守られない可能性があるにもかかわらず、質量制限に注意すべしという指示にとどめてしまったこと、(3)再溶解および均一化工程について具体的な検討を行っていなかったこと、などがあげられる。しかし、これらの欠陥について、政府の設けた「ウラン加工工場事故調査委員会」の報告では、ほとんど触れられていない。それはこの委員会が原子力安全委員会のもとに設置され、その事務局を科学技術庁が行ったためであろう。アメリカのスリー・マイル島(TMI)原発事故の際には、事故調査委員会(「ケメニー委員会」)が大統領に直属し、強大な権限をもつ原子力規制委員会(NRC)も事故調査の対象となったのと比べれば雲泥の差がある。なお、かつて原子力船「むつ」の事故に際して設けられた原子力行政懇談会は首相の私的諮問機関であった。中央省庁再編という機会を利用して、原子力行政のあり方について再度検討が行われるべきであろう。[中島篤之助]
原子力安全委員会は2012年(平成24)9月に廃止され、新設された原子力規制委員会に移行した。[編集部]

出典|小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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