六訂版 家庭医学大全科 の解説
反社会性パーソナリティー障害
はんしゃかいせいパーソナリティーしょうがい
Antisocial personality disorder
(こころの病気)
どんな障害か
この障害は、社会規範に反する行動を良心の
男性に多く、知的な印象を受ける場合も少なくないのですが、社会規範や道徳には
症候は、表13に提示した項目を参照していただくとよりわかりやすいと思われます。
本障害はパーソナリティーの障害と呼ばれますが、今日では15歳以前に発症の行為障害であったことが診断基準で求められています。すなわち、発達過程で思春期以前にもっている傾向であると考えられ、何らかの脳機能上の障害をもっているのではないかと推定されています。
そのなかで、発達障害のひとつである、注意欠如多動性障害(ADHD)を基礎にする一群の存在も仮定されており、ADHDから行為障害、そして反社会性パーソナリティー障害という経過をたどるものもあると考えられています。ただし、反社会的行動とADHDとは基本的に質の異なる問題を含んでいることも確かであり、このようなパーソナリティー特性がどのように形成されていくのかは不明な点が多いのが現状です。
治療の方法
本障害の治療は医療刑務所などで、今までさまざまな試みがなされてきました。しかし、その効果については症例数が限られることから必ずしも明らかではありません。
出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報