行為障害(読み)こういしょうがい(その他表記)Conduct Disorder

家庭医学館 「行為障害」の解説

こういしょうがい【行為障害 Conduct Disorder】

[どんな病気か]
 幼児期~青年期診断される精神障害の1つで、他人への攻撃、規則違反などの反社会的行動をくり返すとされています。
[症状]
 アメリカ精神医学会のDSM‐Ⅳ(精神疾患分類と診断の手引き)によると、以下のようなものが行為障害の症状とされています。
①しばしば他人をいじめ、脅迫したり威嚇(いかく)したりする。
②しばしば取っ組み合いの喧嘩けんか)をする。
ナイフなど他人に重大な身体的危害を与える武器を使用したことがある。
④人に対して身体的に残酷だったことがある。
動物に対して身体的に残酷だったことがある。
背後から襲う強盗、ひったくり、強奪などをしたことがある。
⑦性行為を強いたことがある。
故意に放火したことがある。
⑨他人の所有物を故意に破壊したことがある。
⑩他人の住居、建造物または車に侵入したことがある。
⑪しばしば嘘(うそ)をつく。
万引き偽造などをしたことがある。
⑬13歳未満で始まり、親に禁止されてもしばしば夜遅く外出する。
⑭一晩中家をあけたことが少なくとも2回あるか、長期にわたって家に帰らないことが1回ある。
⑮13歳未満から始まり、しばしば学校を怠ける。
 治療は、精神科、児童精神科といった医療機関へ相談しましょう。

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関連語 快楽 米国 感覚

百科事典マイペディア 「行為障害」の意味・わかりやすい解説

行為障害【こういしょうがい】

他人の人権や社会的な規範を侵害し,しかもそうした行動様式を持続的かつ反復してとること。1997年の神戸児童連続殺傷事件で,犯人の中学3年生(当時)・少年Aの精神鑑定の結果,〈行為障害〉および〈性障害(他人を傷つけることで快楽を得ること)〉と報告されたことで,広く知られるようになった。 アメリカ精神医学会の診断・統計マニュアルによると,人や動物を残虐に攻撃する,故意に他人の所有物を破壊する,親の禁止にもかかわらず13歳未満で夜遅く外出する――などの13項目のうち,過去12ヵ月以内に3つ以上に該当し,うち少なくとも1つは過去6ヵ月以内にあった場合,と定義されている。この結果,少年Aは重症な行為障害と診断された。 原因は家庭環境への不満や,学校での失敗などが多いが,本人自身に罪悪を感じる感覚がないためという場合もある。 なお,日本では小児精神医学の専門医が米国ほど多くはなく,行為障害を実際に治療した例は少ない。

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