はん‐ち【反致】
- 〘 名詞 〙
- ① 国際私法上の原則の一つ。同一の事項について、訴訟地A国の国際私法によればB国法が準拠法となり、B国の国際私法によれば、AまたはC国法が準拠法となる場合に、B国法を適用せずAまたはC国法を準拠法とすること。この場合A国法が適用される場合を狭義の反致と呼ぶ。反定。
- ② 生じた物事の元をたどってつきとめること。
- [初出の実例]「飲酒と云ふ行為は未だ罪にならぬけれども、若し悪結果を生じたならば、其悪結果より反致して、飲酒を責任の目的とすることが出来る」(出典:法窓夜話(1916)〈穂積陳重〉七四)
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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反致
はんち
renvoi
国際私法上の用語。各国の国際私法が統一されていないため,一つの法律関係について,A国の裁判所に係属している事件について,A国の国際私法によればB国法が準拠法とされ,B国の国際私法によればA国法が準拠法とされる場合が生ずる。このような場合,A国からB国へ送った問題が送り返されてきたと考え,A国の裁判所がA国法を適用することを反致という。これは,2国間でのやりとりであり,狭義の反致といわれるものである。このほか,B国の国際私法によればC国法によるとされている場合に,A国でC国法を適用することを再致といい,さらにC国の国際私法によればA国法によるとされている場合にA国でA国法を適用することを間接反致という。反致は,19世紀後半にフランスやイギリスの判例で確立されてきたものである。これは,国際私法の不統一から生ずる問題を解決しようとするものではあるが,理論上は批判が強い。日本では,本国法による場合であって,しかも段階的に連結をする場合 (法例 14,15条1項本文,16条本文,21) を除いて,狭義の反致のみを認めている (法例 32) 。
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反致【はんち】
国際私法上の原則の一つ。各国の国際私法の内容が異なる結果,同一の法律関係について,訴訟地であるA国の国際私法によればB国法を適用すると定められているにもかかわらず,B国ではA国法を適用するとしていることがある。この際,適用法規のなくなる可能性を避けるため,訴訟地の法(A国法)を適用する場合を反致(狭義)という。またB国の国際私法でA国法のほかC国法等にもよると定められている場合にはC国法等を適用することもあり,これを再致(広義の反致に含まれる)という。日本では法例第29条で反致の原則を認めている。
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世界大百科事典(旧版)内の反致の言及
【国際私法】より
…この後の2者は,1989年の一部改正によって導入されたものである。
[公序,ならびに反致・転致]
以上が日本の準拠法選定政策の原則であるが,これには重要な例外がある。(6)一つは,本来の準拠法たる外国法の適用の結果が日本の[公序良俗]に反する場合,その準拠法を適用しないこととするものである(33条)。…
【相続】より
…しかし,法例27条は,意思表示としての遺言そのものの成立とその遺言としての効力発生時期,遺言撤回の可能性等の諸問題に適用される法を指定しているにすぎないのであって,遺言の実質的内容となっている相続に適用される法を指定しているのではない。
[相続と反致]
法例26条は,相続準拠法を被相続人の本国法としているので,法例32条の規定する反致(〈[国際私法]〉の項目参照)の成否が問題となる。同条に定める反致は,外国人の本国法が準拠法として指定されたとき,その本国の国際私法によれば,かえって,日本法が準拠法とされているときには,その本国の国際私法に従って日本法が準拠法とされることを意味する。…
※「反致」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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