精選版 日本国語大辞典 「取置」の意味・読み・例文・類語
とり‐おき【取置】
とって‐おき【取置】
- 〘 名詞 〙
- ① 貴重品などを大事にしまっておくこと。後日、いざというときの用意のために品物などをたくわえておくこと。ことのほか大切にしておくこと。また、そのもの。とっとき。
- [初出の実例]「若君の御大事と、取て置きの臍繰分別」(出典:浄瑠璃・甲賀三郎窟物語(1735)四)
- ② ( 大事にして人前に出したがらない人の意 ) 秘蔵の人。愛人。おもいもの。愛妾。
- [初出の実例]「あの奥の杉戸を引ひらいて、取(トッ)て置(ヲキ)の女躰の姿おがみたし」(出典:浮世草子・傾城色三味線(1701)鄙)
- ③ 特に、大事にしまっておいてまれに着る着物。はれぎ。いっちょうら。
- [初出の実例]「五十余りの女房の、とってをきをばぬらさじと」(出典:浄瑠璃・心中刃は氷の朔日(1709)上)