受取・請取(読み)うけとり

  • うけと・る

精選版 日本国語大辞典の解説

〘名〙 (「うけどり」とも)
① 受け取ること。手もとに引き渡されたものを手に入れること。
※山上宗二記(1588‐90)「師より請取の一巻」
② 相手からの金銭、物品などを収めたしるしとして差し出す書き付け。受取証文。領収書。受領証。
※教言卿記‐応永一三年(1406)四月三日「呰部より十二貫五百文到。目出。年々未進分と出請取了」
※浮世草子・傾城色三味線(1701)京「中あらためて請取書てしんずるにおよばず」
③ 引き受けたこと。また、その人。受持ち。担当。担任。
※日葡辞書(1603‐04)「コレワ ワガ vqetorigia(ウケトリヂャ)
※玉塵抄(1563)四「人にたのまれてちんをとって人をころしねらうてにくいと思う者をころさするぞ。うけとり沙汰(ざた)する者なり」
⑤ 物事を自分の考えで、こうこうだと認めること。理解。のみこみ。
※甲陽軍鑑(17C初)品四〇上「第一に、謡、舞、或いは物をよむに、うけとりのはやき人を利根なると云」
⑥ 「うけとり(請取)の御献(ぎょこん)」の略。
※御湯殿上日記‐長享二年(1488)正月一日「うけとりの御てうし、大すけ殿、中内侍殿よりもまいる」
〘他ラ五(四)〙
① 自分のほうへ来るものや渡されるものを手に入れる。収め入れる。受領する。
※古事記(712)中「其の横刀(たち)を受取(うけとり)たまひし時」
※源氏(1001‐14頃)松風「物など多くうけとりてなん」
② ある事柄を進んで身に引き取る。
(イ) 責任をもって引き受ける。担当する。
※源氏(1001‐14頃)若菜上「その御うしろみの事をば、うけとりきこえん」
(ロ) 人から仕事などを引き継ぐ。
※今鏡(1170)三「帝の御位は限りある事なれど、余り世を疾(と)くうけとりておはしましけるにや」
(ハ) 物事を自分の考えや感じによって、そうだと認める。承知する。納得する。信ずる。また、解釈する。現在では、可能動詞「うけとれる」の形でも用いる。→うけとれる(受取)
※応永本論語抄(1420)里仁「孔子の語を直ちに暁て請取㒵也」
※浮世草子・日本永代蔵(1688)三「『私事、当年三十九に罷成る』といふ。いづれも合点せず『いかにしても、三十九、四十にしては請取(ウケトリ)がたし』」
※それから(1909)〈夏目漱石〉九「よく人から、相手を遣り込めるのを目的とする様に受取(ウケト)られる」
(ニ) 話などに応ずる。
※浄瑠璃・碁盤太平記(1710)「ヤイ岡平はおらぬか。物申(ものもふ)がある、うけとれ」
③ 他からの作用が身に及ぶ。身に受ける。こうむる。
※大鏡(12C前)四「さばかりおもきやまひをうけとりたまひて」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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