吉岡実(読み)ヨシオカ ミノル

20世紀日本人名事典 「吉岡実」の解説

吉岡 実
ヨシオカ ミノル

昭和期の詩人,装幀家



生年
大正8(1919)年4月15日

没年
平成2(1990)年5月31日

出生地
東京都墨田区本所

学歴〔年〕
本所高等小学校〔昭和9年〕卒

主な受賞名〔年〕
H氏賞(第9回)〔昭和34年〕「僧侶」,高見順賞(第7回)〔昭和51年〕「サフラン摘み」,歴程賞(第22回)〔昭和59年〕「薬玉

経歴
高等小学校卒業後、彫刻家を夢みたが果たさず医書出版南山堂に勤務し、そのかたわら夜学に通う。昭和15年召集を受け、詩歌集昏睡季節」を刊行して応召し、20年に復員。30年「静物」を刊行。34年「僧侶」でH氏賞を受賞、また清岡卓行らと「鰐」を創刊(37年まで)。51年「サフラン摘み」で高見順賞を、59年「薬玉」で藤村記念歴程賞を受賞。戦後筑摩書房に勤め、本の装幀家としても有名である。他の著書に「うまやはし日記」「土方巽頌」などがある。

出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「吉岡実」の意味・わかりやすい解説

吉岡実
よしおかみのる
(1919―1990)

詩人。東京・本所に生まれる。幼少期彫刻家を志したが果たさず、出版社に勤務しつつ夜学に通い文学書に親しむ。1940年(昭和15)応召の年詩歌集『昏睡(こんすい)季節』(私家版)刊。41年私家版詩集液体』、敗戦帰国後、50年(昭和25)『静物』を刊行し、その詩風の特異さで注目される。第二詩集『僧侶(そうりょ)』(1958)でH氏賞を受賞。59年清岡卓行(たかゆき)、大岡信(まこと)、飯島耕一(こういち)らと詩誌『鰐(わに)』を創刊。本の装丁家としても優れた仕事をしている。詩集はほかに『吉岡実詩集』(1959)、『紡錘形』(1962)、『吉岡実詩集』(1967、全詩集)、『静かな家』(1968)、『サフラン摘み』(1976。高見順賞受賞)、『薬玉(くすだま)』(1984。藤村記念歴程賞受賞)などがある。歌集には『魚籃』(1959)がある。

[原崎 孝]

『『新選吉岡実詩集』(1978・思潮社)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「吉岡実」の解説

吉岡実 よしおか-みのる

1919-1990 昭和時代の詩人。
大正8年4月15日生まれ。昭和16年詩集「液体」をのこして応召。戦後,「静物」で詩壇に登場する。34年H氏賞を受賞した「僧侶(そうりょ)」は現代詩のひとつの到達点とされる。装丁家としても活躍。平成2年5月31日死去。71歳。東京出身。作品に「サフラン摘み」(昭和52年高見順賞),「薬玉(くすだま)」(60年藤村記念歴程賞)など。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

367日誕生日大事典 「吉岡実」の解説

吉岡 実 (よしおか みのる)

生年月日:1919年4月15日
昭和時代の詩人
1990年没

出典 日外アソシエーツ「367日誕生日大事典」367日誕生日大事典について 情報

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