吉田(広島県)(読み)よしだ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「吉田(広島県)」の意味・わかりやすい解説

吉田(広島県)
よしだ

広島県中北部、高田郡(たかたぐん)にあった旧町名(吉田町(ちょう))。現在は安芸高田市(あきたかたし)吉田町地区。1896年(明治29)町制施行。1953年(昭和28)丹比(たんぴ)、可愛(えの)、郷野(ごうの)の3村と合併。2004年(平成16)八千代(やちよ)、美土里(みどり)、高宮(たかみや)、甲田(こうだ)、向原(むかいはら)の5町と合併、市制施行して安芸高田市となる。旧吉田町の中心部は江の川(ごうのかわ)水系の可愛川と多治比川の合流点にあり、南北朝時代に毛利氏が築いた郡山城跡(こおりやまじょうあと)(国の史跡)がある。1591年(天正19)毛利輝元(てるもと)が広島城へ移るまで毛利氏の本拠で、城跡には元就(もとなり)、隆元(たかもと)らの墓などが残る。江戸時代は広島城下と山陰地方を結ぶ街道の宿場町として栄えた。明治以降は郡の中心で県の出先機関が置かれたが、現JR芸備線敷設から外れたためややさびれた。安芸高田市役所の所在地で、国道54号が通じる。国道沿いに機械、金属などの工場立地がみられ、野菜・花卉(かき)栽培などの近郊農業が営まれる。清神社(すがじんじゃ)の5月5日祭礼にはだんじり屋台子供歌舞伎(かぶき)が演じられる。

[北川建次]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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