吉田追風(読み)ヨシダオイカゼ

デジタル大辞泉 「吉田追風」の意味・読み・例文・類語

よしだ‐おいかぜ〔‐おひかぜ〕【吉田追風】

相撲家元吉田司家つかさけ当主の世襲名。

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精選版 日本国語大辞典 「吉田追風」の意味・読み・例文・類語

よしだ‐おいかぜ【吉田追風】

  1. 相撲の家元吉田司家の当主が代々名乗る名。

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朝日日本歴史人物事典 「吉田追風」の解説

吉田追風(19代)

没年:文政1.10.8(1818.11.6)
生年:生年不詳
江戸中期の相撲故実家元。名は善左衛門。天明3(1783)年10月家督を相続,寛政1(1789)年11月谷風梶之助と小野川喜三郎に故実と横綱免許を授与した。同3年6月将軍徳川家斉の上覧相撲において家元として行司役を務め,谷風―小野川戦で小野川が立ち合い待ったをしたのを「気負け」とし,谷風に軍配をあげる名裁きをみせた。これを機会に吉田司家と称して横綱免許を独占して,その地位を確立した。このとき幕府に提出した「吉田家先祖書」によれば文治年間(1185~90)に後鳥羽天皇節会相撲を再興したとき,吉田家次に追風の名が与えられて行司の家と定められたとされているが,確証はない。代々のうち16代が元禄期の善右衛門追風で,熊本藩細川家に抱えられ,藤崎八幡宮の傍らに邸宅拝領したという。23代善門追風は明治10(1877)年の境川浪右衛門から昭和12(1937)年の双葉山定次まで22人の横綱の免許を行っている。24代長善追風のとき不祥事があり,昭和25(1950)年から横綱免許は司家立ち会いのうえで大日本相撲協会が行うことになり,家督は25代長孝追風に譲られたが,同61年司家が破産して協会とは絶縁となった。<参考文献>荒木精之『相撲道と吉田司家』,肥後相撲協会編『本朝相撲司吉田家』

(水野尚文)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

20世紀日本人名事典 「吉田追風」の解説

吉田 追風(23代目)
ヨシダ オイカゼ

明治〜昭和期の大相撲行司



生年
安政2年(1855年)

没年
昭和14(1939)年9月12日

出身地
熊本市

本名
吉田 追風善門

経歴
相撲の司家である吉田家の23代目。明治10年の第14代横綱境川から、昭和13年の第35代横綱双葉山まで、61年間にわたり22人の横綱に免許を与えた。明治維新後の相撲の衰退を憂え、国技として復興させるため献身的努力を続け、今日の隆盛の基礎を築いた。

出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「吉田追風」の解説

吉田追風(初代) よしだ-おいかぜ

?-1234 鎌倉時代の相撲行司。
家伝によると後鳥羽(ごとば)天皇が節会(せちえ)相撲を再興する際,まねかれて追風の名をあたえられ豊後守(ぶんごのかみ)となったという。子孫は代々追風と号して相撲行司をつとめ,吉田司家(つかさけ)とよばれた。天福2年4月20日死去。越前(えちぜん)(福井県)出身。名は家次。通称は善左衛門。

吉田追風(23代) よしだ-おいかぜ

1855-1939 明治-昭和時代前期の相撲行司家元。
安政2年生まれ。肥後熊本の生家吉田司家(つかさけ)をつぐ。明治維新後,廃止論まででた相撲の復興につくした。14代横綱境川から昭和13年の35代双葉山まで22人に横綱免許を授与した。昭和14年9月12日死去。85歳。本名は善門。

吉田追風(19代) よしだ-おいかぜ

?-1818 江戸時代中期-後期の相撲故実家元。
寛政元年2代谷風梶之助と小野川喜三郎に横綱免許を授与し,3年将軍徳川家斉(いえなり)の上覧相撲のときに行司をつとめる。以後,相撲行司や横綱の免許を授与する権限を独占した。文政元年10月8日死去。通称は善左衛門。

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世界大百科事典(旧版)内の吉田追風の言及

【行司】より

…彼らは幕府の相撲禁止令の原因となる喧嘩争乱を除くため,各地の相撲集団に相撲作法(規則)と故実を伝える役目をもち権威があった。享保時代(1716‐36),九州熊本細川家家臣吉田追風が相撲の家元として勢力をもち,1791年(寛政3)の徳川家斉上覧相撲を機に,江戸の相撲集団を支配下において故実門人と横綱の免許を与えて権威づけ,幕末には大坂相撲を支配して全国を傘下においた。しかし第2次世界大戦後は形式だけの存在となっている。…

※「吉田追風」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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