吸う(読み)スウ

デジタル大辞泉 「吸う」の意味・読み・例文・類語

す・う〔すふ〕【吸う】

[動ワ五(ハ四)]
気体液体を、口や鼻からからだの中に引き入れる。「大きく息を―・う」「タバコを―・う」「蚊が血を―・う」「みつを―・う」
口に引き入れるようにして含む。また、接吻せっぷんする。「赤ん坊が指を―・う」「口を―・う」
引き付けるようにして中に取り込む。吸引する。「この掃除機はよくごみを―・う」
水分などをしみ込ませて取る。吸収する。「地面が水を―・う」
引き寄せる。引き付ける。「磁石が鉄を―・う」
飲む[用法]
[可能]すえる
[類語](1吸入吸飲啜る

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「吸う」の意味・読み・例文・類語

す・うすふ【吸】

  1. 〘 他動詞 ワ行五(ハ四) 〙
  2. 気体、液体を口、または鼻から体内に引き入れる。
    1. [初出の実例]「子盍反、入口曰 倭言須布(スフ) 脣口也」(出典:新訳華厳経音義私記(794))
    2. 「象乃し水を吸(スフ)て樹に灌きて、牙を以て排ひ掘る」(出典:大慈恩寺三蔵法師伝永久四年点(1116)五)
  3. しみ込ませて取る。吸収する。
    1. [初出の実例]「燈心の油を吸ふ音が〈略〉空しく夜長の寂しさを語ってゐる」(出典:戯作三味(1917)〈芥川龍之介〉一五)
  4. 引き寄せる。引き付ける。引き込む。
    1. [初出の実例]「修布と号くる所以は、此の村に井あり。一の女、水を汲み、即(やが)て吸(すひ)(い)れられき」(出典:播磨風土記(715頃)賀毛)
    2. 「磁石〈略〉其性鉄を吸ふ」(出典:小学読本(1873)〈榊原芳野〉一)
  5. 金銭や利益などを、他から集め取る。しぼり取る。
    1. [初出の実例]「ゆききの人にとうまのぜう、たちもかたなもすはれたり」(出典:虎明本狂言・粟田口(室町末‐近世初))
  6. タバコをのむ。
    1. [初出の実例]「吸(スヒ)(つ)めたる巻煙草を車の外に投棄て」(出典:義血侠血(1894)〈泉鏡花〉二三)
  7. 接吻する。口づけをする。口吸う。
    1. [初出の実例]「サモ ナツカシゲニ ヲン カヲ ヲ sui(スイ)タマイ」(出典:サントスの御作業の内抜書(1591)二)

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