味耜高彦根神(読み)あじすきたかひこねのかみ

朝日日本歴史人物事典「味耜高彦根神」の解説

味耜高彦根神

古事記』『日本書紀』や『風土記』にみえる神で大国主命の子。『古事記』では阿遅志貴高日子根神と記す。記では友人の天稚彦の葬儀に訪れたとき,その家族から死者が生き返ったと勘違いされたことに怒り,葬儀の建物を切り倒して足で蹴とばし,そのまま飛び去ってしまった。そのとき,ふたつの谷に渡るほど長大な姿で光り輝いたという。また『出雲国風土記』は髭が長く伸びるほどに成長しても,昼夜を分かたず泣いていた(言葉を話さない)と伝える。これらの話のうち,建物を壊して飛び去ったり,いつまでも言葉を話さないというのは雷神としての性格の表れと考えられている。また,ぴかぴか光る長大な姿というのは正体が蛇であることを示しており,神名の「あじすき」は切れ味の良い金属製の鋤(農具)に由来する。これらはいずれも雷と縁のあるもので,この神が農耕の守護神たる雷神であることを示している。<参考文献>神田典城『日本神話論考』

(神田典城)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus「味耜高彦根神」の解説

味耜高彦根神 あじすきたかひこねのかみ

記・紀にみえる神。
大国主神(おおくにぬしのかみ)と田霧姫命(たぎりひめのみこと)の子。天稚彦(あめわかひこ)が死んだとき弔問にいったところ,顔がにているため死者が生きかえったとまちがえられ,おこってをぬいて喪屋をきりたおしたとつたえる。岐阜県美濃市の山はこの喪屋という。奈良県御所(ごせ)市の高鴨神社祭神。「古事記」では阿遅志貴(あじしき)高日子根神。

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精選版 日本国語大辞典「味耜高彦根神」の解説

あじすきたかひこね‐の‐かみ あぢすきたかひこね‥【味耜高彦根神】

大国主命の子。は田霧姫命(たぎりひめのみこと)で、古事記、日本書紀、出雲国風土記などにみえる。奈良県御所市の高鴨神社の祭神。迦毛大御神(かものおおみかみ)。高賀茂大神。

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世界大百科事典 第2版「味耜高彦根神」の解説

あじすきたかひこねのかみ【味耜高彦根神】

日本神話にあらわれる神の名。アジスキはアジシキ(シキは(すき)の音転)ともいう。立派な鉏の,高く輝く太陽の子の神の意。《播磨国風土記》には鉏を占居神としてまつる話を載せる。大国主神(おおくにぬしのかみ)と田霧姫命(たきりびめのみこと)の子。記紀神話では天稚彦(あめわかひこ)の喪を弔い容貌類似から遺族に死者と誤られ,それに怒って天に飛び去る。これは雷神の表象である。奈良県御所(ごせ)市高鴨神社にまつり,葛城迦毛大神(かつらぎかものおおかみ)ともいう。

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