デジタル大辞泉
「呻く」の意味・読み・例文・類語
う‐め・く【×呻く】
[動カ五(四)]《「う」は擬声語。「めく」は接尾語》
1 痛さや苦しさのあまり、低い声をもらす。「下腹を押さえて―・く」
2 獣などが低くうなる。「番犬が―・く」
3 嘆息する。ため息をつく。
「―・きたる気色も恥づかしげなれば」〈源・帚木〉
4 苦心して詩歌を作り出す。苦吟する。
「あまたたび誦じて、―・きて返し」〈大鏡・後一条院〉
[類語]唸る・呻吟・阿鼻叫喚
すた・く【×呻く】
[動カ四]《「すたすた」の「すた」の動詞化。「すだく」とも》あえぐ。すためく。
「声いきどしく―・きながら」〈浄・関八州繋馬〉
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
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う‐め・く【呻】
- 〘 自動詞 カ行五(四) 〙
- ① 嘆息の声をあげる。ためいきをつく。
- [初出の実例]「『あな』と高やかにうちいひ、うめきたるも」(出典:枕草子(10C終)七四)
- ② 苦心して詩歌を作り出す。苦吟する。
- [初出の実例]「をかしうよみ出でて、人にも語り伝へさせんとうめき誦(ずん)じつる歌も」(出典:枕草子(10C終)八七)
- ③ 牛や犬などが低くうなる。
- [初出の実例]「狗(いぬ)か何ぞと思ゆる者の声にてうめく音(こゑ)聞ゆ」(出典:今昔物語集(1120頃か)二六)
- ④ 大声を出す。苦痛などでうんうんうなる。わめく。
- [初出の実例]「いと黒きゐどころ引上られてうめくを」(出典:御伽草子・福富長者物語(室町末))
- ⑤ 金銀が多く蓄えられている。多く「うめくほど」という形で使われる。うなる。
- [初出の実例]「蔵ひらきせしに判金弐百枚入の書付の箱六百五十〈略〉下よりうめく事すさまじ」(出典:浮世草子・好色五人女(1686)五)
- 「中にうめく程かね入て置た」(出典:浄瑠璃・女殺油地獄(1721)下)
呻くの語誌
( 1 )「めく」は「…のようになる」の意を表わす動詞を作る接尾語で、「う」は、人間が苦しみのあまりに出す声や、動物の低い鳴き声などを表わす擬声語と考えられる。
( 2 )「伊京集」に「
ウメク ニヨウ キ
ウナル ウメク ギン 同吟」とあり、「うなる」や「によう(ふ)」と類義的な関係にあったことが知られる。
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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