デジタル大辞泉 「和ふ」の意味・読み・例文・類語 あま‐な・う〔‐なふ〕【▽和ふ/甘なふ】 [動ハ四]1 同意する。承知する。「しかれども、玖賀媛くがひめ―・はず」〈仁徳紀〉2 甘んじて受け入れる。与えられたものに満足する。「清貧を―・ひて」〈読・雨月・菊花の約〉3 人の心に合うようにする。機嫌をとる。「言ことヲ―・イ面ヲヘツラウ」〈日葡〉 あ・う〔あふ〕【▽和ふ/×韲ふ】 [動ハ下二]「あえる」の文語形。 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
精選版 日本国語大辞典 「和ふ」の意味・読み・例文・類語 あま‐な・う‥なふ【和・甘なう】 [ 1 ] 〘 自動詞 ハ行四段活用 〙 ( 「なう」は、ある事を行なう、ある状態にするの意の接尾語 )① ( 和らぐ状態になるのをいうか ) 和合する。和解する。仲よくする。また、同意する。[初出の実例]「明日(くるつひ)の夕(よ)、速待、玖賀媛が家に詣りぬ。而れども、玖賀媛、和(アマナハ)ず」(出典:日本書紀(720)仁徳一六年七月(前田本訓))② そのことに甘んずる。満足する。[初出の実例]「一切世人の甘(アマナヒ)て刑罰形残考掠を受くることは、寿命を護るを以てなり」(出典:大智度論平安初期点(850頃か)一三)[ 2 ] 〘 他動詞 ハ行四段活用 〙① それをよしとする。(イ) 甘んじて受け入れる。甘受する。[初出の実例]「まいて後の世のありがたきすぐせ、たれか此たのしみをあまなはんや」(出典:四季物語(14C中頃か)一一月)「悲しむらくは、公の只古人の糟粕を甘(アマナッ)て、空しく一生を区々の中に誤る事を」(出典:太平記(14C後)一)(ロ) うまいとして飲食する。[初出の実例]「此井の水を甘なふ人は、仮令(たとひ)無風雅の腸なりとも、忽三石のなら茶を思ふべし」(出典:俳諧・鶉衣(1727‐79)後)② (言い方などを)柔らかくする。甘くする。へつらう。[初出の実例]「タトイ ツワモノ ドモ コト ヲ amanai(アマナイ)、ヲモテ ヲ ヘツラウ トユウ トモ」(出典:サントスの御作業の内抜書(1591)一)[ 3 ] 〘 他動詞 ハ行下二段活用 〙 和合させる。仲よくさせる。同意させる。[初出の実例]「二(ふたり)の皇子(すめみこ)の意(みこころ)を和(アマナヘ)たまはむと欲(おもほ)す」(出典:日本書紀(720)応神四〇年正月(北野本訓)) 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例