胡飲酒(読み)こんじゅ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

胡飲酒
こんじゅ

雅楽の曲名。唐楽 (左方) 壱越 (いちこつ) 調に属する。仏哲という僧が伝えたといわれる林邑 (りんゆう) 楽の一つとする説もあるが明らかでない。舞人は頭に長い毛のある茶色の大型の面をつけ,太い桴 (ばち) を持ち,朱色の裲襠 (りょうとう) 装束を着け,1人で舞う。笛による前奏曲古楽乱声」を伴奏に登場し,「序」と「破」の2楽章を舞う。胡国の人の酒に酔った姿を模した舞といわれる。なお「破」の楽章は管弦 (器楽合奏) の曲としても演奏される。

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世界大百科事典 第2版の解説

こんじゅ【胡飲酒】

雅楽,舞楽管絃の曲名。唐楽にふくまれ壱越(いちこつ)調。一人舞で走(はしり)舞。酔胡楽,宴飲楽ともいう。番舞(つがいまい)は《林歌》。面をつけ,桴(ばち)を持ち,《胡飲酒》用の別装束で舞う。胡国の王が酒を飲み,酔って舞った姿を舞にしたものという。演奏次第は《林邑乱声(りんゆうらんじよう)》(舞人登場,出手(ずるて))―《壱越調音取(ねとり)》(あるいは《迦陵頻音取》)―序(2帖,無拍節)―破(7帖,早四拍子)―破の重吹(しげぶき)(入手(いるて),退場)。

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大辞林 第三版の解説

こんじゅ【胡飲酒】

舞楽の一。左方・唐楽。壱越いちこつ調。古楽の一人舞で走舞。別装束で胡人風の大面をつけ、桴ばちを持ち、酔った態を舞う。酔胡楽。宴飲楽。こいんず。こんず。

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精選版 日本国語大辞典の解説

こいんず【胡飲酒】

※今鏡(1170)二「わらはまひ三人。こいんず。れう王。らくそんなん侍ける」

こんじゅ【胡飲酒】

(「こおんじゅ」の変化した語) 雅楽の曲名。林邑楽(りんゆうがく)の一つ。壱越(いちこつ)調。古楽。一人舞。朱色の面に桴(ばち)型の具を持ち、酔人の態を舞う。こんず。こいんず。こいんじゅ。宴飲楽。酔胡楽。
古今著聞集(1254)六「多忠方胡飲酒をつかうまつりけるに、此曲たびたび御覧ぜられつるに、今度ことにすぐれたるよし、おほやけわたくし沙汰ありけり」
[語誌](1)読みは、「楽家録‐二八・中華曲」によれば「古牟志由 酒字濁」とあるところから「こんじゅ」と読むべきかと思われるが、「雑秘別録」には「こいむず」とも見え、両様に読まれていたようである。
(2)この曲は唐楽に属するので、本来左方で舞われるべきものであるが、右方の多氏に伝えられた異例の曲である。

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