① ( 「玉」はもと江戸の遊里で、女の意。転じて、広く人にもいう ) 善人。性質のよい人。また、比喩的によい作用をするものについてもいう。
[初出の実例]「なんぼ庄さんがぜんだまになったとって」(出典:洒落本・青楼五雁金(1788)三)
② ( 「玉」に「魂」をかけて ) 江戸時代、草双紙などのさし絵で、善人または悪人であることを明示するため、人の顔を丸く書いて、その中に善または悪の字を記したが、その善の字のあるもの。また、○の中に「善」の字を書き、人間を善くする精神や霊魂を表わす印ともする。山東京伝の黄表紙「心学早染艸」(一七九〇)によって流行。