悪玉(読み)アクダマ

デジタル大辞泉 「悪玉」の意味・読み・例文・類語

あく‐だま【悪玉】

悪事をする者。悪人。悪いやつ。江戸時代草双紙挿絵で円の中に「悪」の字を書いて顔とし、悪人を表したのに基づく。⇔善玉
芝居映画で悪人の役。悪役
[類語](1凶漢凶賊奸賊海賊山賊賊徒賊子逆賊謀反人悪人悪者悪漢悪党悪女毒婦食わせ物詐欺師山師ペテン師いかさま師あくわる凶徒凶手人非人人でなし奸物曲者暴漢暴れ者暴れん坊暴徒荒くれ者ごろつきならず者地回りやくざ暴力団無頼漢無法者与太者ごろちんぴらあぶれ者/(2悪役敵役憎まれ役ヒール

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精選版 日本国語大辞典 「悪玉」の意味・読み・例文・類語

あく‐だま【悪玉・悪魂】

  1. 〘 名詞 〙
  2. ( 「玉」はもと江戸の遊里で、女の意。転じて広く人をいう ) 性質のよくない人。悪人。また、いやな奴。女性の場合、醜女をいう。
    1. [初出の実例]「あんなやぼやあく玉(ダマ)に気がねはしんせん」(出典:洒落本・青楼五雁金(1788)二)
  3. 近世、人間の心に善悪の二つがあるとする心学の説により、その人物画の顔に「悪」の字を円で囲んだものを描き、悪人であることを表わしたもの。寛政二年(一七九〇)刊行の山東京伝作の黄表紙「心学早染艸」(善玉悪玉心学早染艸)がその最初であるという。また、その図柄意匠にしたもの。
    1. 悪玉<b>②</b>〈心学早染艸〉
      悪玉〈心学早染艸〉
    2. [初出の実例]「みなさま御ぞんじのあく玉〈略〉なにとぞして今一たびあく玉の道をひろめんと」(出典:黄表紙・堪忍袋緒〆善玉(1793)上)
  4. 映画や芝居などで、悪人の役。悪役。

悪玉の語誌

京伝の「心学早染艸」では善悪の魂を擬人化し、「よきたましひ、ぜんだましひ」「わるきたましひ、わるたましひ」として用いている。これがすでにあった「悪玉」と結びつけられて、挙例の「堪忍袋緒〆善玉」で、悪にみちびく魂の意味での「悪玉」が使用された。

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故事成語を知る辞典 「悪玉」の解説

悪玉

[参照] 善玉

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