(読み)やかましい

精選版 日本国語大辞典 「喧」の意味・読み・例文・類語

やかまし・い【喧】

〘形口〙 やかまし 〘形シク
① 音や声などが大きかったり、多く入り交じったりして、神経をいらだたせる。騒がしい
評判記・色道大鏡(1678)五「をのをのは何をやかましく申さるるぞ」
② こまごまとした感じで、煩わしい。めんどうである。
浮世草子傾城禁短気(1711)五「九月の紋日の御世話をやかましう思召しての事と」
小言無駄口などが多く、聞いて煩わしく感じる。
※浄瑠璃・冥途の飛脚(1711頃)中「はてやかましい。此忠兵衛をそれ程たはけと思やるか」
④ 形式にとらわれている。理屈っぽい
安愚楽鍋(1871‐72)〈仮名垣魯文〉二「わちきなんざア十三のとき北廊(なか)でひろめをしてやかましい合しゅにひきまはされて」
厳しい。厳格である。
滑稽本浮世風呂(1809‐13)二「内においてどのやうにやかましく申ても、折屈(をりかがみ)が直りませぬ」
⑥ 盛んに話題にされる。評判が高い。
露団々(1889)〈幸田露伴〉八「大分評判もやかましいから、世界中にひろまるに違ひない」
やかまし‐が・る
〘他ラ五(四)〙
やかまし‐げ
〘形動〙
やかまし‐さ
〘名〙

かしま・む【喧】

〘自マ四〙 (形容詞「かしましい」と同根か) やかましく思う。
更級日記(1059頃)「かしまみて鳴戸の浦にこがれいづる心はえきや磯のあま人」
[補注]「更級日記」の用例は「加島見て」をかける、また、一説に「加島見て」に「間見て」(人目のない時を見はからって)の意をかけたとする。

やかまし【喧】

〘名〙 やかましいこと。ごたごた。めんどうなこと。
※洒落本・面和倶噺(1806)二「けふは仕入の事でやかましがあっておそくなったじゃ」

さえ・く さへく【喧】

〘自カ四〙 さわがしい声で物を言う。聞き分けにくいように物を言う。→ことさえく

やかまし【喧】

〘形シク〙 ⇒やかましい(喧)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「喧」の意味・読み・例文・類語

けん【喧】[漢字項目]

人名用漢字] [音]ケン(漢) [訓]かまびすしい やかましい
口々にしゃべり立ててやかましい。かまびすしい。「喧嘩けんか喧噪けんそう喧伝喧喧囂囂けんけんごうごう

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

今日のキーワード

青天の霹靂

《陸游「九月四日鶏未鳴起作」から。晴れ渡った空に突然起こる雷の意》急に起きる変動・大事件。また、突然うけた衝撃。[補説]「晴天の霹靂」と書くのは誤り。[類語]突発的・発作的・反射的・突然・ひょっこり・...

青天の霹靂の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android