しゃくり【噦・噦噎】
- 〘 名詞 〙 ( 「さくり(噦)」の変化した語 )
- ① =しゃっくり(噦)
- [初出の実例]「病は心に随て転ずるかと覚。世間にしゃくりする人、虚言(そらごと)をもし、わびつべきことをも云ひつげつれば、〈略〉その病止る也」(出典:正法眼蔵随聞記(1235‐38)六)
- 「びっくりと・させて呃逆(シャクリ)を留てやる」(出典:雑俳・奈良土産(1694))
- ② しゃくりあげて泣くこと。さくり。
- [初出の実例]「いふままにしゃくりもよよとなくをきくに」(出典:有明の別(12C後)二)
しゃく・る【噦】
- 〘 自動詞 ラ行五(四) 〙
- ① しゃっくりをする。さくる。
- ② しゃくり泣きをする。すすり泣く。さくる。
- [初出の実例]「『いままでつれなくてやみぬるかなしさよ』とて、しゃくりもあへず泣くめり」(出典:撰集抄(1250頃)九)
- 「声は何時しか嗚咽(シャク)って意気地ない涙がほろほろこぼれて来た」(出典:思出の記(1900‐01)〈徳富蘆花〉四)
しゃっくり【噦・吃逆】
- 〘 名詞 〙 ( 「しゃくり」の変化した語 ) 横隔膜がけいれん性の収縮を起こし、声門が突然開いて音をだす現象。ふつう、繰り返して起こる。
- [初出の実例]「機関車が短い吃咳(シャックリ)のやうな汽笛を鳴らしては」(出典:青春(1905‐06)〈小栗風葉〉夏)
さくり【噦・噦噎】
- 〘 名詞 〙
- ① 横隔膜の痙攣(けいれん)で、息が急に吸い込まれるときに発する音声。しゃっくり。しゃくり。〔十巻本和名抄(934頃)〕
- ② 声を引き入れるような泣き声で泣くこと。しゃくり上げて激しく泣くこと。〔享和本新撰字鏡(898‐901頃)〕
さく・る【噦】
- 〘 自動詞 ラ行四段活用 〙 横隔膜の痙攣(けいれん)で息を急に吸い込む。しゃっくりをする。また、しゃくりあげながら泣く。泣きじゃくる。
- [初出の実例]「哽噎 ムセブ サクル ナク」(出典:観智院本名義抄(1241))
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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